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CASIO JF-120GT

CASIO JF-120GT 正面写真 メーカー CASIO
型名 JF-120GT
種別(メーカー分類) 一般電卓(一般電卓|スタンダード電卓)
発売開始 2007年10月12日
製造終了 -
寸法 奥行 178.5 mm × 幅 107 mm × 厚さ 26.1 mm(公表値)
重量 175g(電池を含んだ公表値) 実測値の173gとほぼ一致
入力方式 標準方式
画面 白黒液晶7セグメント12桁+負号+状態インジケーター12個
CPU 不明
RAM 不明
ROM/Flash 不明
電源 CR2032 × 1 +太陽電池
プログラミング言語 なし
公式ページ JF-120GT | スタンダード電卓 | 一般電卓 | 電卓 | CASIO
説明書URL なし(2017年10月15日現在、何故かダウンロードできない)
著者の購入年 2017年10月
著者の購入価格(購入店) 1,930円(税込)(ヨドバシ.com) ポイント10%還元あり

概要

メーカーは「スタンダード電卓」と称していますが、実際には実務電卓(事務用電卓)と言えるでしょう。
主な機能として、小数点セレクター、ラウンドセレクター、メモリー、GT、税計算、時間計算があり、実務電卓としての機能は十分です。
本機の特徴は大きさと機能と価格のバランスの良さです。

本機はジャストタイプ(型番の J~ はジャストタイプの意)という中型の電卓です。
中型の電卓で「低価格」「小数点セレクター搭載」「メモリー呼出・消去キーが2つに分かれている」という電卓は意外と少ないのです(2017年10月15日現在)。

目次

  1. 機能一覧(使い方)
  2. レビュー
    1. 大きさと機能と価格のバランスが良い(2017年10月時点)
    2. 大きさ
    3. キーボード
    4. 液晶画面
    5. その他の問題点
    6. 総評

機能一覧(使い方)

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レビュー

大きさと機能と価格のバランスが良い(2017年10月時点)

本機 JF-120GT の特徴は「低価格」「中型」「小数点セレクター搭載」「メモリー呼出・消去キーが2つに分かれている」「有益な付加機能(時間計算)」が全部揃っているバランスの良さです。
本機のバランスの良さを証明するために各社の一般電卓で以下の条件を満たした電卓を一覧にしました(2017年10月15日現在)。

  1. 2,000円前後あるいはそれ以下の価格(価格は ヨドバシ.com を基準)
  2. 小数点セレクターを搭載(Canonは「小数点スイッチ」、SHARPは「小数部桁数(TAB) 指定スイッチ」)
  3. 中型(SHARPナイスサイズタイプ電卓 EL-N732-X の奥行と幅の積が 185mm × 112mm = 20,720 [mm 2 ] なので、それ以下とする)
  4. メモリー呼出・消去キーが2つに分かれている
  5. 生産中の製品(生産終了だが、在庫を店頭で見かけるものは除外)
上の条件を満たした電卓の比較(2017年10月15日現在)
機種名 価格 [円]
ヨドバシ.com
桁数 奥行と幅の積
[mm 2 ]
メモリー呼出・消去
キー数
主な付加機能
(メモリー、GT、税計算除く)
備考
CASIO JF-100GT 1,640 10 178.5 × 107 = 19,100 2 時間計算
CASIO JF-120GT 1,930 12 178.5 × 107 = 19,100 2 時間計算
SHARP EL-N802 1,450 12 177 × 110 = 19,470 2 アンサーチェック 平方根なし
SHARP EL-VN82 2,030 12 180 × 109 = 19,620 2 アンサーチェック、カウンター付演算状態表示

CASIO JF-Z200 は条件1〜4を満たしており、未だに店頭で売られていますが、生産終了のため条件5を満たせず、除外しました。
店頭で JF-120GT と比較してみたところ JF-120GT の塗装を豪華にして、キーの感触を少し変えたものでした。キーの感触が少し硬くなり、クリック感も強くなっているようです。見た目をおしゃれにするためにキーの配色は一色になっています。

CASIO JF-Z200 の後継機種の JF-S200 は条件2〜5を満たしていますが、新製品なので ヨドバシ.com で3,210円(2017年10月15日現在)とまだ高く、条件1を満たせず除外しました。JF-S200 の機能は JF-120GT/JF-Z200 と同じようです。しかし、外観が明らかに異なります。後述する JF-120GT の画面の透明カバーの隙間問題はありません。店頭で試したところ数値キーの感触が軽く、数値キー以外の感触は少し硬い感じでした。機能は同じでも機械的には別物です。

Canon の一般電卓で上の条件1~5に該当するものはありませんでした(2017年10月15日現在)。
Canon の一般電卓は何故かメモリー呼出・消去キーが1つになっているのです。
驚くべきことに Canon の最高級電卓 KS-2200TG BS-2200TG ですらメモリー呼出・消去キーが1つになっています。
Canon は消費者がメモリーを使わないと思っているのでしょうか。メモリー呼出・消去キーが1つだとメモリーの用途に制限ができてしまいます。

上表の4機種の付加機能を調べてみましょう。

ということで本機 JF-120GT が大きさと機能と価格のバランスが最も良い機種と言えます。

本機 JF-120GT のバランスの良さを説明するために長々と書いてきましたが、2017年10月15日現在でも本機のような電卓が意外とないのは驚きでした。 特にメモリー呼出・消去キーが1つになっている機種が各社ともに多すぎるのです。

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大きさ

本機の大きさはちょうど使いやすい大きさです。そのため、CASIOはジャストタイプと称しています(JF-120GTの先頭のJはその意味)。

左から SHARP EL-S452-X、CASIO JF-120GT、Canon HS-1220TSG

左から SHARP EL-S452-X、CASIO JF-120GT、Canon HS-1220TSG です。
SHARP EL-S452-X と Canon HS-1220TSG は大型機の中では小さい方ですが、それでも JF-120GT と比べるとかなり大きいのが分かります。
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キーボード

本機のキーボードですが、先日紹介した SHARP EL-S452-X と同様にキーの端っこを押すと傾くキーです。

端を押すと傾くキー

それでも SHARP EL-S452-X のキーよりは押しやすく感じます。
キーストローク(キーの上下動の長さ)が短いので、キーの端を押しても SHARP EL-S452-X ほどキーが傾きません。
ただし、キーを素早く押すと、キーのグラつきを感じますので、キーの安定感はいまいちです。
筆者としては以前紹介した Canon HS-1220TSG のキーの方が押しやすく感じます。

本機のキーボードには欠点もあります。キーの配置にかなり疑問があるのです。
[1]の下に[00]があるのはかなり不自然です。[0]の上に[AC]があるのも誤操作したときの損害が大きくなります。
このキー配置はかなり癖があり、慣れるまでは使いにくいでしょう。

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液晶画面

液晶画面の作りはかなり手抜きを感じます。下の写真を見て下さい。

透明カバーの下に付箋紙が入る

液晶を保護する透明カバーの両横に隙間が開いているのです。そのため、付箋紙が簡単に透明カバーの中に入れます。これには驚きました。これではホコリが入り放題です。
さらに私の個体には透明カバーの裏側に小さな透明なものが付着しています。下の写真において、小さな透明なものの右下にその影ができています。

透明カバーの裏に付着した透明なもの

おそらく工場組立時に使った接着剤か何かでしょうか。不良品として交換も考えたのですが、こんな安いものに手間をかけたくないので、やめておきました。
このように液晶画面部分の作りはかなり雑さを感じます。
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その他の問題点

本機には他にも細かい問題があります。

以上の2つの問題は、画像集を見ていただければ、分かりやすいと思われます。

説明書(MO1602-D HDC31E1J0P3 PV2)にも問題があります。一般電卓の説明書はたいてい手抜きですが、本機の説明書の[C]キーの説明が完全にないことや GT をクリアする方法が書かれていない([AC] 押下で GT が消えるとどこにも書かれていない)のは欠陥と言えるでしょう。しかも CASIO のサイトからダウンロード不可能です(2017年10月15日現在)。

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総評

本機 JF-120GT は大きさと機能と価格のバランスが良い機種です。
その反面、液晶画面の作りやキー配置に難点があります。やはり、2,000円前後あるいはそれ以下の価格帯では決定的な一般電卓はないのでしょう。

「一般電卓はコモディティ化しているので何を選んでも一緒」というのは大嘘です。確かに機能的には四則演算+αなのですが、操作が単純なので使い勝手の良し悪しが非常に重要になります。さらに機能が少ないので、+αの機能も非常に重要になります。

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