今回は eBay でグラフ電卓
HP 39gs
を2台購入しました(「未使用バルク品」とされているが真相は?)。
China Post(中国郵政)の酷い配達のせいで HP 39gs が入っていた箱はずぶ濡れでした。
前回作成した PayPal のアカウントを使用しました。PayPal は eBay の子会社なので、 前回 のような販売サイトと PayPal の相性問題はありませんでした。
2017年4月に5ちゃんねるの「
関数電卓総合スレッドその6
」において eBay で HP 39gs のバルク品(簡素な包装の商品)が安く出品されているとの書き込みを見つけてから HP 39gs のことが気になっていました。
しかし、特に人気もなかった製造終了モデルなので、購入するに至りませんでした。
2018年10月19日に Twitter で「 HP 39gs でも newRPL をインストールできる 」という情報を知ってから再度関心が出たので、購入に至りました。
newRPL とは、HP 電卓ファンが開発したグラフ電卓用 OS のことです。 HP グラフ電卓用プログラミング言語 RPL (Reverse Polish Lisp) を改良した言語が使えるので、このような名前になっています。ただし、 CAS(数式処理システム) は未実装です(2018年11月現在)。
今回の販売者は中華人民共和国上海市の個人あるいは個人商店の可能性が高いため PayPal によるクレジットカード情報の隠蔽は必須です。 クレジットカードで直接購入するのは避けるべきでしょう。
15日間かかりました。
販売者からの個人特定を防ぐために日時ではなく、経過日数にしています。
China Post で追跡できるようになるまでに一週間ほどかかりました。
経過日数
(2018年) |
事象 | 事象発生場所 |
---|---|---|
1日目(11月上旬) | eBay で HP 39gs を2台注文 | インターネット |
7日目 | China Post でようやく追跡可能になった。 | インターネット |
7日目 | 荷物が China Post の Parcel center に到着 | 中華人民共和国上海市 |
10日目 | China Post が荷物を航空会社に渡した? | 中華人民共和国上海市 |
13日目 | 荷物が川崎東郵便局に到着 | 神奈川県川崎市 |
14日目 | 横浜税関 川崎外遊出張所 通関手続開始 | 神奈川県川崎市 |
15日目 | 自宅で郵便局員から荷物を受け取った。 | 東京都23区 |
合計 US $37.78(UFJ-VISAで 4,403 円に換算。US $1 = 116.544円)
PayPal のアカウントを持っているので、eBay のアカウント作成は容易でした。
以下の画面に氏名と電子メールアドレスとパスワードを入れるだけでした。
アカウント作成はすぐにできますが、eBay のアカウントと筆者の PayPal アカウントをリンクしないといけません。
eBay にログインしてから下の写真の右側にある [Link My PayPal Account] を押してリンク手続きをします。
住所、氏名、クレジットカード情報などは PayPal のものをそのまま使えます。
PayPal の親会社が eBay なので、連携が良いようです。
次に商品を選びます。eBay の Advanced Search で HP 39gs の Condition : New のものを検索して最も安いものを選びました。
上の画像を見ると、
Condition: New other (see details)
となっています。
New
ではありません。
新品だけど注意事項がある場合、
"New other (see details)"
とされるようです。
さらにその下に details(詳細)が書かれています。
"unused, Bulk. There may be some shipping scratches."
(未使用バルク品。発送による傷がいくつかあるかもしれない)
上の画像のように販売者の評価は好意的な評価が 99.6% となっています。信用できる数値なのかどうか不明ですが。
商品の置き場所は、中華人民共和国上海市だと非常に小さく書かれています。
今回は2台購入するので、Quantity: に 2 を入力しました。
最初、購入しようとして [Buy It Now] を押したのですが、何故か PayPal による通貨換算を「カード会社による換算」へ変更できませんでした。原因は分かりません。
PayPal の通貨換算手数料は高いので、できればカード会社に通貨換算をしてもらいたいのです。
PayPal によると、
米ドルの換算手数料
は 3.5% です(2018年11月現在)。
私が使っている UFJ-VISA の場合、
2.16%
なので、手数料は明らかに安くなっています(2018年11月現在)。
ただし、カード会社が通貨換算をする前に急激に円安になると損をする可能性があります。
実は今回の購入金額から考えると微々たる差なので、無理に通貨換算の方法を変える必要は全くありません。
しかし、今後のことを考えてできるかどうか試したかったのです。
[Buy It Now] を押すのをあきらめて、[Add to cart] を押して、ショッピングカートに入れてから購入しました。
[Go to checkout] を押すと、Checkout 画面(支払いを確定する画面)に移動します。
この画面で当然 PayPal を選ぶことになりますが、このままだと通貨換算が PayPal で行われてしまいます。
そのため、
JPY1 = US $0.01
を押して、通貨換算をカード会社に行わせるようにしました。
下のような画面が表示されます。
上の画面で
JPY1 = US $0.01
と表示していたのにここでは
"1 JPY = $0.0084 USD"
と表示しています。
どちらも PayPal の換算レートですが、非常にいい加減ですね。アメリカらしいといいましょうか。
「カード発行会社による取引全額の換算」を選んでから [同意する] を押します。
すると、Checkout 画面が下のように変わります。
JPY1 = US $0.01 などの表示が消えて、「カード発行会社による取引全額の換算」を選んだ状態になりました。
Checkout 画面を下にスクロールして送料を選びます。私は安い方にしました。
そして、[Confirm and pay] を押下すると、注文が完了します。
到着予定日が表示されていますが、11月21日〜12月10日という幅の広いものになっています。
送料が安い方を選んだので仕方がないのかもしれませんが。
HP 39gs を輸送したのは China Post(中国郵政)という中国の郵便局です。
HP 39gs が Parcel center というところに到着するまで、追跡ができませんでした。
注文日を1日目として7日目になるまで追跡ができなかったのです。
さらに更新も遅く、更新が反映されるのに1日以上かかることもあります。
販売者からの個人特定を防ぐために日時は「何日目」に変更しています。
販売者からの個人特定を防ぐために日時は「何日目」に変更しています。
酷い状態で届きました。箱が水で濡れています。
川崎東郵便局の説明によると、日本に到着した時点で濡れていたようです。
つまり China Post が濡らしたということです。発送者が箱を濡らすことはさすがに考え難いのです。
どうして濡れたのかは不明ですが、China Post が荷物を屋根のないところに出していたら雨が降ってきたという想像ができます。
このページ
によると、China Post は荷物を屋外に放置することが多いようです。
箱を開けると内部まで水が入っていました。HP 39gs も濡れていました。
写真を見る限り、HP 39gs の2台のうち1台だけが濡れているように見えますが、両機共に濡れていたような気がします。
仮に1台が濡れていなくても相当な湿気に晒されたので、内部で結露している可能性があります。
ちなみに付属品は保護カバー(半透明の黒っぽいカバー)だけです。
説明書、電池(CR2032×1と単4電池×4)、そしてUSBケーブルは付属していません(
説明書
は英語版などがダウンロード可能)。
USBケーブルは USB Type A - Mini B のものが使えます(
HP 50g
と同じ)。
下の写真のようにして30時間以上乾燥させました(この記事の作成後も念のため乾燥を続けています)。
液晶画面の上に保護フィルムが貼られていました。
保護フィルムを剥がすと、液晶画面は綺麗でした。
一応、動作しました。全てのキーも反応しました。
PCとUSB接続もできました。しかし、hpcalc.org からダウンロードできる HP 39gs のUSB接続ソフト HP 40GS, 39G+ and 39G PC Connectivity Kit (Build 1320) は、筆者の使っている Windows 7 (64 bit) 上で動作が非常に不安定でした(2018年11月現在)。
ちなみに HP USB Drivers も必要です。
2台の HP 39gs を区別するために筆者が勝手に1号機、2号機と名付けました。
カーソルキーの右上の数値が書かれたシールは筆者が貼ったものです。
一見すると綺麗に見えますが、細かい傷があります。
上の写真以外にもいくつか細かい傷のようなものがあります。
2号機の状態は1号機よりも明らかに悪いものです。
汚れた部分がいくつかあります。保護カバーにも明らかに傷が入っています。
汚れた部分です。
China Post の配送は最悪でした。
自分の人生でずぶ濡れになった荷物を受け取ったのは生まれて初めてでした。
安かろう悪かろうの典型例ですね。
2台の HP 39gs は乾燥することによって何とか動作しました。
電卓の中に致命的なほど水分が入らなかったのでしょう。
2台の HP 39gs を見る限り、販売者による以下の説明
"unused, Bulk. There may be some shipping scratches."
(未使用バルク品。発送による傷がいくつかあるかもしれない)
というのは怪しい気がしました。
確かに液晶画面の上に保護フィルムが貼られていてその部分だけ新品みたいに見えなくはないのですが、それ以外の部分は「発送による傷」に見えないのです。
発送前から付いていた傷にしか見えないのです。
修理品あるいはニコイチ(複数の電卓から外したパーツを集めて1台に仕立て上げたもの)のようなものかもしれません。
というわけで今回の購入はあまりお勧めできません。 しかし、HP 39gs を安く入手できるのも事実なので、リスクを覚悟して購入してもいいかもしれません。