メーカー | SHARP | |
型名 | EL-878S-X | |
種別(メーカー分類) | 一般電卓(クレジットカードタイプ) | |
発売開始 | 2003年8月 | |
製造終了 | - | |
寸法 |
奥行 54 mm × 幅 85.5 mm × 厚さ 3 mm(公表値)
|
|
重量 | 約19g(公表値)。実測で17.5g | |
入力方式 | 標準方式 | |
画面 | 白黒液晶7セグメント8桁+負号+状態インジケーター2個 | |
CPU | 不明 | |
RAM | 不明 | |
ROM/Flash | 不明 | |
電源 | 太陽電池のみ | |
プログラミング言語 | なし | |
公式ページ | 電卓(クレジットカードタイプ) EL-878S-X:シャープ | |
説明書URL |
電卓(クレジットカードタイプ) EL-878S-X:シャープ
|
|
著者の購入年 | 2021年1月 | |
著者の購入価格(購入店) | 599円(税込)(ヨドバシ.com)ポイント10%還元あり |
大手メーカーによる最後のカード型電卓になるかもしれない電卓です。SHARP は「クレジットカードタイプ」と称していますが、厚みが 3 mm もあるので、財布のカード入れに入らないと思われます。
2021年2月現在、大手メーカーでカード型電卓を販売しているのは SHARP だけです。
CASIO は、 CASIO SL-650A のことを「カードタイプ」と称していますが、厚みが 6.3 mm もある CASIO SL-650A をカードタイプというのは無理があります。本当のカード型電卓 CASIO SL-760GT-N は、すでに生産終了です。
Canon 最後のカード型電卓 Canon LS-714 もすでに生産終了です( こちら で旧製品扱いされているため)。
そのため、本機 SHARP EL-878S-X だけが現行の大手メーカーのカード型電卓と言えます(2021年2月現在)。
正直、スマホの電卓アプリよりも使い難いです。一般的に 「スマホの電卓アプリは、実際の電卓よりも使い難い」 と言われますが、カード型電卓はスマホの電卓アプリよりも使い難いと言えるでしょう。
本機の最大の問題は、キーが押し難いことです。カード型電卓全般に言える欠点ですが、本機も例外ではありません。 かなり強くキーを押さないと反応してくれません。私が1990年代に入手したカード型電卓 CASIO SL-763BK は、本機ほど強く押さなくてもいいので、多少マシです。しかし、どちらの機種にしても押しやすいと思う人はいないでしょう。結局、カード型電卓のキーが押し難い問題は、解決されないまま終わりを迎えつつあるようです。
本機で意外だったのは、カード型電卓なのにメモリー機能がしっかりと作られていることです。CM(メモリー消去)キーとRM(メモリー呼出)キーが明確に別れているので、計算中に数値を保存したいときにメモリーを消去できなくて困ることはありません。本機よりも遥かに高価な電卓でもCMとRMが別れていないことがあります(CMとRMが同一キーになっている電卓の場合、1回押しで呼出、2回押しで消去なので、1回押した時に保存したい値が消えてしまう)。
キーが押し難いこと以外で気になったことは、演算子の表示がないことと負号が画面右側に表示されることです。
演算子の表示は、CASIO の特許でした。しかし、今では特許が切れたらしく CASIO 以外の製品でも演算子の表示ができるようになっています。 しかし、本機が発売された2003年8月当時、まだ CASIO の特許が切れていなかったのかもしれません。本当のところは不明ですが。
太陽電池を遮光すると、液晶画面が薄くなって徐々に消えていきます。しかし、その後もある程度の時間は、計算状態とメモリーを維持することができます。
おそらくは内部のキャパシター(コンデンサー)によって蓄電された電力を使っているのでしょう。
太陽電池を一定時間遮光してから遮光を止めた時の動きはおおよそ以下のようになるようです(電卓のキャパシターが十分充電されているとき)。
実験をする度に時間が変化したので、おおよその時間と思って下さい。
このように短い時間だけ計算状態とメモリーを維持できるようになっています。太陽電池が多少遮光されても計算に支障がないように配慮されているのでしょう。
ちなみに以前レビューした CASIO SL-763BK は、太陽電池を遮光されると数秒で計算状態もメモリーもクリアされてしまいます。
2003年8月に発売開始されてから未だに売られているだけあって進化を感じない電卓です。未だにカード型電卓を入手できることだけが利点と言えるでしょう。
本機は、スマホの電卓アプリよりも使い難いのですが、スマホの電卓アプリは起動する毎に数回の手順が必要だったり、電卓アプリがスマホの画面を占有するので、必ずしもスマホの電卓アプリが良いとも言い切れないでしょう。本機は軽量なので、スマホと違って落下させても壊れることはあまりないという利点もあります。