メーカー | CASIO | |
型名 | fx-CG10 | |
種別 | グラフ電卓(CASなし) | |
発売開始 |
2010年9月(
shopcasio.com
による)
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製造終了 |
同等品の fx-CG20 が2017年5月~6月頃に日本で製造終了と発表された。
その後、海外でも製造終了になった。 |
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寸法 |
奥行188.5mm × 幅89.5mm × 厚さ20.6mm(メーカー公表値。厚さはキーとゴム足の厚みを含んでいない?)
奥行188.5mm × 幅89.5mm × 厚さ約23mm(実測値) 奥行199.5mm × 幅92.5mm × 厚さ約26mm(フロントカバー背面装着時の実測値) |
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重量 |
約230g(付属電池込みの公表値。実測値の232gと一致する)
約289g(付属電池、フロントカバー込みの実測値) |
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入力方式 | 自然表示方式(教科書表示方式)、ライン表示方式 | |
画面 | フルドットマトリックス 384×216画素(16bitカラー。65,536色) | |
CPU | SH-4A (58.9MHz) (参考) Ftune/Ftune2/Ptune2 FX/Prizm tuning utility | |
RAM |
2MB(説明書に書かれている「プログラム容量:最大61,440バイト」はRAMの中の61,440バイトをプログラムに使えるという意味)
(参考) Casio Prizm - Cemetech | Tools | Reference |
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ROM/Flash | 16MB | |
電源 | 単4形アルカリ乾電池×4本 あるいは 単4形ニッケル水素充電池×4本(エネループなど) | |
プログラミング言語 |
CASIO独特の言語。構造化されておらず、特殊な記号を使う。
fx-9860GII と同じ言語。ただし、fx-CG10 のためにコマンドが追加されている。 一部の人が"CASIO BASIC"と称しているが、BASIC言語にそれほど似ておらず、説明書に"CASIO BASIC"とは一切書かれていない。 |
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公式ページ |
(日本語)
fx-CG20 | グラフ関数電卓 | 関数電卓 | 電卓 | CASIO(fx-CG10同等品)
(英語) Casio PRIZIM fx-CG10 Graphing Calculator | Casio USA |
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説明書URL |
(日本語)
fx-CG20 | 取扱説明書 | 電卓・関数電卓 | お客様サポート | CASIO (操作方法と機能はfx-CG10と一緒)
(英語) Casio PRIZIM fx-CG10 Graphing Calculator | Casio USA |
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著者の購入年 | 2017年5月 | |
著者の購入価格(購入店) | $98.85(Amazon USA)※送料、税関費用などは別 |
CASIO が TI-Nspire CX(CASなし)に対抗して同時期の2010年に市場に投入したグラフ電卓です。CAS( 数式処理システム )は搭載されていません。 TI-Nspire CX と同様に高解像度でカラフルな画面が特徴です。 ただし、fx-CG10 は TI-Nspire CX よりも画面が大きくて見やすくなっています。
電卓としては強力な液晶画面を持つ反面、操作方法は前機種の fx-9860GII に似ています。電卓的な操作方法であり、TI-Nspire CX のようなPC的な操作方法とは対照的です。 機能は fx-9860GII をそのまま拡張したような感じです。 外観と液晶画面は fx-9860GII から大幅に変化していますが、実質 fx-9860GII の後継機種と言えるでしょう。
fx-CG20 は北米以外の地域で売られている同等品です。fx-CG10 との違いは画像ファイルの互換性の違いです。後述します。
本レビューは OS 2.02 に基いています。
高解像度カラー液晶のおかげでグラフが圧倒的に見やすくなりました。
fx-CG10 | fx-9860GII |
単純に見やすいだけでなく、解像度の向上とカラー表示によって、fx-9860GIIで不可能だった格子線と数値の入った目盛りを表示できるようになっています。
ファンクションメニュー(画面の一番下に表示される6つのメニュー)も表示できる文字数が増えて分かりやすくなりました。
fx-CG10 | fx-9860GII |
fx-CG10 の画面の上にあるステータスバーも fx-9860GII になかったもので、設定画面を表示しなくても電卓の設定を確認できます。
左から電池残量、入出力モード、角度単位、数値表示形式、分数結果の表示形式、複素数モードが表示されています。
数式も読みやすくなりました。
fx-CG10 | fx-9860GII |
入力中の式の括弧の対応関係を色で表示してくれるのも便利です。
以上のように液晶画面が大幅に進化し、見やすくなり、表現力も大幅に向上しています。
fx-CG10(北米向け)と fx-CG20(北米以外向け)はほとんど同じ機種です。
ただし、画像ファイルの互換性に違いがあります。
fx-CG20/fx-CG20 AU 上で保存・更新した画像は fx-CG10 で使えないということです。
その反面、次のページ(1-39)に
「fx-CG10 で保存・更新した画像は fx-CG20/fx-CG20 AU で読むことができる」
とも書かれています。
つまり以下のような関係になります。
ページ1-39にはこんなことも書かれています。
このように CASIO が提供する特殊な画像ファイルと特殊な eActivity(電子教材)ファイルは、どちらの機種でも使うことができます。
ちなみに eActivity(電子教材)ファイルは、画像ファイルを含むことができるので、画像ファイルの互換性問題に巻き込まれているようです。
しかし、これは不自然です。
CASIOはどの機種でも使える画像ファイルが作れるのに fx-CG20/fx-CG20 AU で保存・更新した画像ファイルは fx-CG10 で使えなくなります。
わざと互換性をなくしているようにしか見えません。
どうして CASIO はこのような互換性の仕様にしたのでしょうか。
fx-CG10 は北米向けです。一方、fx-CG20/fx-CG20 AU は北米以外で販売されています。
販売対象地域の違いが何か関係しているのかもしれませんが、理由は不明です。
操作方法は fx-9860GII とほとんど一緒です。 ファンクションメニュー(画面の下に表示される6つの項目)に依存した電卓的かつ古い操作方法です。
Run-Matrix モード | Graph モード |
右下が斜めに切れている黒地の項目を選択すると下の階層に行きます。上の階層に上がる時は[EXIT]キーを押します。
黒地の長方形の項目はコマンド入力です。選択するとコマンドが入力されます。
[ ▷ ]は同一階層に7つ以上の項目がある時に表示されます。これを押すと表示されている項目と同一階層の別の項目が表示されます。
白地の項目は押すと即実行されるコマンドです(SELECT, MODIFY, DRAW)。
以上の操作方法は fx-9860GII と一緒です。
ファンクションメニューは fx-9860GII と同様に主に4種類あります。
(4種類以外のファンクションメニューは補助的な機能を呼び出した時に表示されます)
1. 各モード固有のファンクションメニュー
2. オプションメニュー([OPTN]ボタンを押下)
3. 変数データメニュー([VARS]ボタン押下)
4. プログラムメニュー([Shift]+[VARS]押下)
これらのファンクションメニューはそれぞれ別々の階層構造を構成しているので、非常に繁雑です。
さらに1と2に関してはモード毎に階層構造が変わります。
ここまでの基本的な操作方法は fx-9860GII と一緒です。
もちろん fx-CG10 と fx-9860GII の操作方法が完全に一緒というわけではありません。
fx-CG10 のファンクションメニューは機能追加に合わせて項目が増えています。
ファンクションメニュー項目の一部の配置も fx-9860GII と異なっていたりします。
さらに fx-CG10 はカラー設定に関連する機能を呼出す [SHIFT]+[5](FORMAT)という操作が追加されています。
つまり、機能拡張に伴って、fx-9860GII の操作方法をそのまま拡張したような感じです。
ただし、PCとの接続操作に関しては大幅に変更されています(後述)。
fx-CG10 はCAS(数式処理システム)がありませんので、未知変数を持つ代数式は扱えません。 それでも豊富な機能を持っています。
[MENU]ボタンを押すと、fx-CG10 のメインメニューが表示されます。
メインメニューに表示されるモード(アプリケーション)の意味は以下の通りです。 fx-9860GIIと似ていますが、モード名がほとんど短縮されていなかったり、一部のモードが追加されています。
Run-Matrix | 通常の計算モード(行列・ベクトル計算も可能) |
Statistics | 統計計算 |
eActivity | 電子教材(教材にアプリケーションのデータを埋込可能。メモのような使い方も可能) |
Spreadsheet | 表計算 |
Graph | グラフ描画 |
Dyna Graph | アニメーションするグラフの描画 |
Table | 関数から数表を作成する |
Recursion | 漸化式計算 |
Conic Graphs | 円錐曲線 |
Equation | 方程式計算 |
Program | プログラミング機能。fx-9860GII と同じ言語を使う。コマンドは増えている。 |
Financial | 財務計算(fx-9860GIIのTVMモードに相当) |
E-CON3 | データアナライザー EA-200 あるいは CMA CLAB を使用して理科の実験を行う |
Link | 他の電卓あるいはPCと接続する(他の電卓と接続するケーブルは別売) |
Memory | メインメモリー(RAM)と保存メモリー(フラッシュメモリの一部)の管理 |
System | 各種システム設定 |
Geometry | 図形を描画する(アドインソフト。インストール/アンインストール可能) |
Picture Plot | 画像の上に複数の点を設置して点の座標を表示したり、回帰曲線を描く(アドインソフト。インストール/アンインストール可能) |
Conversion |
単位換算機能がインストールされているかどうかを示すモード。
このモード自体は何も機能がない。(アドインソフト。インストール/アンインストール可能) |
Physium | 化学の周期表と物理化学定数一覧(アドインソフト。インストール/アンインストール可能) |
ProbSim | 教育用の確率シミュレーション(アドインソフト。インストール/アンインストール可能) |
単位換算機能がインストールされているかどうかを示すモードです。 このモードを選択しても下図のような表示が出るだけです。
上の画像の文を翻訳すると
「Conversionメニューは、Runメニューで[OPTN]キー、F6キー、そしてF1キーを押したところに今現在、存在しています。」
となります。
つまり、このモード自体は何もできなくて、Run-Matrixモードの[OPTN]メニューの中に単位換算メニューが表示されるということを示しています。
保存メモリー(Storage Memory)上の Conv.g3a というファイルを削除すると、このモードは表示されなくなり、単位換算メニューも表示されなくなります。
このモードの必要性はアメリカ合衆国の一部の学校が単位換算機能を搭載した電卓の使用を禁じているからだと思われます。 前機種の fx-9860GII の場合、単位換算機能を削除した fx-9860GII S が別機種として発売されています。 しかし、それは CASIO にとっても利用者にとっても不便なだけです。 そのため、Converionモードをアンインストール可能にしてその問題を解決したのでしょう。
画像の上に複数のプロット(点)を設置してプロットの座標を一覧表示したり、それらのプロットの回帰曲線を描いたり、プロットとは無関係に関数のグラフを描いたりするモードです。
おそらくは回帰曲線を Statistics モードよりも簡単に教えるための教育用モードと思われます。
実用で使うものではないと思われます。
化学の周期表と物理科学定数のモードです。
このモードは fx-CG10 と fx-CG20 のソフトウェア バージョン2.02 取扱説明書(日本語版・英語版両方)には書かれていません。 つまり、オプション機能なのですが、何故か私が購入した fx-CG10 には購入時にインストールされていました。
このモードは fx-9860GII にも追加インストールが可能な同名のものがあり、目的も一緒です。
しかし、使いやすさには雲泥の差があります。
操作方法もかなり異なり、ほとんど別物と言っても過言ではありません。
他のモードは fx-9860GII と fx-CG10 の間に大きな操作方法の差異はないので、このモードの操作方法の変更は珍しいと言えます。
fx-CG10 | fx-9860GII |
fx-CG10 | fx-9860GII |
元素の詳細を表示したときの情報量は fx-CG10 の Physium の圧勝です。fx-CG10 では元素の用途と使用例の写真まで表示されます。
fx-CG10 | fx-9860GII |
ただし、物理化学定数を表示する機能は fx-CG10 と fx-9860GII の間に差異はないようです(文字だけの表示なので、特に画像は掲載しません)。
モードの追加以外にも機能追加が多くあります。 しかし、ここでは比較的大きな機能追加と思われるものだけを紹介します。
グラフ、文字、リストデータ(数値配列)、そしてスプレッドシートに色が使えるようになりました。 プログラミング言語からも色関係の設定ができるようになっています。 さらにリストデータを元にしてグラフを描画したとき、リストデータの列の色をグラフの線の色と一致させることもできます(カラーリンク)。
行列、リストデータ(数値配列データ)、スプレッドシートを CSVファイル として読み書きできるようになりました。CSVファイルはPCでも編集できるので、PCとの連携が良くなったといえます。
保存メモリー(フラッシュメモリーの一部)にフォルダが3階層まで作れるようになりました。
fx-9860GIIの場合、フォルダーの中にフォルダーが作れませんでした(つまり1階層)。
PCと電卓の間でデータ転送をするときの仕様が大幅に変わりました。
専用のPC接続ソフトウェアが不要になったのです。
fx-CG10 は PC と USB接続したときに電卓に表示される画面で"USB Flash"を選択すると、USBストレージとしてPC上に表示されます。
そのため、MacやLinuxでもデータ転送が可能です。
一見便利に見えますが、以下の点に注意する必要があります。
fx-CG10 で液晶画面のキャプチャ画像をPCへ転送する方法は2つあります。
1の方法の場合、電卓内に保存できるキャプチャ画像は20枚までです。
しかも Capture 設定を Bitmap(bmpファイル) に設定していると、fx-CG10 の RclCapt コマンドで再生することができません(RclCapt コマンド自体にライン入出力モードにしないと使えないという欠点もある)。
何故か Bitmap 画像を電卓上で再生できないことは説明書に書かれていません。
Linkモードで Capture 設定を Memory に設定すると、fx-CG10 上でキャプチャ画像を電卓上で再生できますが、g3pファイルというPCで再生できないファイルになりますので、PCへ転送しても意味がありません。
以上のように問題は多いのですが、1の方法は「PCと接続しなくてもキャプチャできる」「PCのOSの種類を選ばない」という利点があります。
一方、2の方法だとPCに接続しないと使えませんが、容易に液晶画面をキャプチャできます。
fx-CG10 は PCとUSB接続したときに電卓に表示される画面で"ScreenRecv"を選択するとスクリーン・レシーバーと接続できます。
PCの画面上でリアルタイムに電卓の画面を見ることができます。
スクリーン・レシーバーの"Capture Screen"ボタンを押すだけで電卓の画面をPC上でキャプチャできます。
スクリーン・レシーバーは以下のリンクからダウンロードできます。
2017年8月29日現在、Mac版は CASIO WEW に行かないとダウンロードできないようです。
スクリーン・レシーバー(日本のCASIO。Windows版のみ)
Download Resources - CASIO WEW Worldwide Education Website(探せば、Screen Receiver の Windows版とMac版がある)
Screen Receiver 取扱説明書ダウンロード(日本のCASIO。Windows版とMac版の両用の説明書)
fx-CG10 はPC接続ソフトがないので、PC上で電卓特有の記号を入力するときはテキスト上で特殊な記述をする必要があります。 例えば、◢(出力コマンド)は Disps とテキスト上で入力しないといけません。√は Sqrt です。 しかもPC上のテキストエディターにコマンドをアシストする機能は当然ないので、コマンド入力も手間がかかります。 説明書を見ながらでないとプログラムを書くことができないのです。
その代わり利点もあります。 編集したいプログラムを電卓上でテキストに変換して、そのファイルをPCへ送るだけでいいので、Windows, Mac, Linux などで使用可能です。 改行コードはCRLFです。
OSの更新はWindows上で動作するアップデータが必要です。日本のカシオで配布している fx-CG20 用のものは fx-CG10 で使えません。
グラフ関数電卓:fx-CG20 OSアップデート ※fx-CG10 で使用不可能
fx-CG10 でOSアップデートをするときは以下のURLからOSのアップデーターをダウンロードする必要があります。
Download Resources - CASIO WEW Worldwide Education Website
OSのアップデーターや「スクリーン・レシーバー」はPC接続ソフトの機能の一部を単独のソフトウェアにしたものです。 結局のところ、PC接続ソフトを完全になくすことはできていません。 さらにPC上のプログラミングは却って難しくなっています。 もちろん電卓をUSBストレージにすることによってデータ転送は容易になっていますので、一長一短の仕様と言えます。
今まで書いたこと以外にも気がついた問題点があります。
まさかハードコーティング処理されていないとは思いませんでした。 買ったらすぐに保護フィルムを貼った方が良いかもしれません。
見た目からは想像できないのですが、fx-CG10 は fx-9860GII の正統進化版と言えます。 基本的な操作方法は fx-9860GII と一緒です。操作方法は機能追加にともなって拡張されただけです。そのため、fx-9860GII からの移行は容易になっています。 液晶画面が広くて、OS のグラフィックデザインも良くできています。 TI-Nspire CX/CX CAS や HP Prime の画面よりも見やすく感じます。
悪く言うと、液晶画面以外は少ししか進化していないとも言えます。 特に演算性能が30%程度(ベンチマークからの推測)しか向上していないのは残念でした。 CPUのクロック周波数は2倍程度になっているのですが、消費電力とコストの都合でメモリーを高速化していないのかもしれません。
TI-Nspire CX(2011年)や HP Prime(2013年)は fx-CG10(2010年)よりも遥かに高速です。 それらの機種はリチウムイオン充電池を搭載しており、電池が早くなくなっても良いことが前提になっています。 そのため、消費電力を度外視して強力なCPUを搭載できます。
しかし、その点を考慮しても fx-CG10 のCPUはもう少し高速化できなかったのかと思います。 メーカーとしては長時間使用ができることもアピールしたいので、そちらを優先したのかもしれません。
fx-CG10 の操作方法は古くて時代遅れだと思います。 ファンクションメニューだけでほとんど操作を行うため、ファンクションメニューの階層構造を覚えておく必要があります。 最悪なのはカタログ機能でコマンドの書式を表示することができないことです。
TI-Nspireシリーズ(2007年~)と HP Prime(2013年)は強力な
GUI
を搭載しており、基本的な操作を覚えると、説明書を見なくても電卓だけでかなりの操作ができるようになっています。もちろんカタログ機能でコマンドの書式を表示できます。
TI-84 Plus CE(2015年)の操作方法は時代遅れですが、カタログ機能でコマンドの書式を表示することはできます。その表示を見ながらコマンドの引数を埋めていく機能まであります。
今のグラフ電卓ではカタログ機能でコマンドの書式を表示するのは当然となっています。
しかし、呆れたことに fx-CG10/fx-CG20 の後継機種 fx-CG50 (2017年)の OS 3.00 ですらカタログ機能でコマンドの書式を表示することができません。 fx-CG50 の英文説明書を見る限り、fx-CG50 の OS 3.00 は fx-CG10/fx-CG20 の OS 2.02 を進歩させただけのようです。
CASIOは fx-9860GII → fx-CG10/20 → fx-CG50 という一連のグラフ電卓の操作性をそれほど進化させる気はないようです。 CAS付グラフ電卓の fx-CG500 (2017年)も ClassPad II fx-CP400 (2013年)の改良程度のものです。fx-CG500 のGUIは fx-CG50 よりも進んでいるようですが、スタイラスが必要なのは時代遅れのような気がします。 fx-CG50 も fx-CG500 も過去の電卓の焼き直しにすぎないため、完全な新シリーズの立ち上げが待望されます。
今回紹介した CASIO fx-CG10 は広くて高解像度のカラー液晶画面によって高い表示の表現力を持ちます。
CAS(数式処理システム)は搭載されていませんが、機能は豊富です。
しかし、CPUの性能が高解像度液晶画面に追いついておらず、古い操作性も考えると微妙な立場の機種と言えます。
さらに液晶画面を保護する透明なプラスチックが非常に傷つきやすいのも問題です。
今さら fx-CG10/fx-CG20 を買うなら fx-CG50 を買うべきでしょう(
2017年9月2日現在、fx-CG50 の日本語マニュアルはありませんので、ご注意下さい
)。
fx-CG10用は下記から探す必要があります。
Download Resources - CASIO WEW Worldwide Education Website