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2017年10月13日公開
2017年10月20日この機種は[%]で求めた値も
GTに加算することを反映

SHARP EL-S452-X

SHARP EL-S452-X 正面写真 メーカーSHARP
型名EL-S452-X
種別(メーカー分類)一般電卓(実務電卓|スリム&チルトディスプレイタイプ)
発売開始2014年07月25日
製造終了-
寸法 奥行 185 mm × 幅 128 mm × 厚さ 13 mm(公表値)
厚さを実測すると 16.5 mm だった。
公表値の厚さにキーとゴム足の厚みが入っていない。
重量200g(電池を含んだ公表値) 実測値の196gとほぼ一致
入力方式標準方式
画面白黒液晶7セグメント12桁+負号+状態インジケーター12個
CPU不明
RAM不明
ROM/Flash不明
電源CR2032 × 1+太陽電池
プログラミング言語なし
公式ページ 電卓 EL-S452-X:シャープ
説明書URL 取扱説明書ダウンロード│電卓│サポート・お問い合わせ:シャープ
※pdfファイルへの直接リンクはやめておきます。
著者の購入年2017年10月
著者の購入価格(購入店)1,210円(ヨドバシ.com)ポイント10%還元あり

概要

シャープの小数部桁数(TAB) 指定スイッチを搭載した電卓の中で最安値のものと思われます(2017年10月13日現在)。
安いにも関わらず、[RM]キーと[CM]キーが分かれており、[CE]キーと[C]キーも分かれています。
1キーで複数の機能を持つことをできるだけ避けているのは好感が持てます。安くて12桁あるのも特徴です。
大きさはセミデスクサイズ(型番の EL-S~ はセミデスクサイズ電卓の意)という大型の電卓ですが、他のシャープのセミデスクサイズより一回り小型になっています。厚さも他のセミデスクタイプの半分程度です。
例えば、EL-S752K-X もセミデスクサイズですが、奥行197mm × 幅140mm × 厚さ26.5mm(公表値)と本機よりもかなり大型です。

機能一覧(使い方)

表中の A, B は任意の数値です(小数部桁数(TAB) 指定スイッチのAは除く)。
[ ]で囲まれたものはキーです。

機能 キー入力 計算 説明
小数部桁数(TAB) 指定スイッチ F,3,2,0,A
のどれか1つを選択
F : 小数点以下の桁数に制約がなくなる。
0,2,3 : 小数点以下の桁数を指定
A : アド・モード(通貨計算)
アド・モードにすると、入力した数値の下位2桁が自動的に小数点以下になる。
小数点の入力を省略できる。ただし、小数点を入力することも可能。
ラウンドスイッチ 5/4, ↓
のどれか1つを選択
小数点スイッチをF以外にしたときに有効
指定した小数点桁数よりも1つ下の桁を
四捨五入(5/4)、切捨て(↓)のどれにするのかを選択する。
全消去 (Clear All) [CA] 電卓の全状態(メモリーとGT含む)をクリアする。税率設定のみ消えない。
クリア (Clear) [C] 計算状態をクリアする。メモリーとGTと税率設定は消去しない。
入力訂正 (Clear Entry)
[CE] 入力中の数値だけをクリアする
右シフト [→] 表示中の数値の最も右にある1桁を削除する。
符号反転 [+/-] 表示されている数値×(-1) 表示中の数値の符号を反転する。
四則演算 A[演算子]B[=] A(演算子)B 演算子は+, −, ×, ÷
定数計算(+ - ÷) A1[演算子]B[=]
A2[=]A3[=]・・・An[=]
A1(演算子)B, A2(演算子)B,
・・・, An(演算子)B
A1とBを演算子(+ - ÷)で計算すると、定数Bと演算子が固定される。
定数Bと値A2,・・・,Anを演算子で計算することができる。回数nに制限はない。
このため、毎回Bを入力する必要がない。
定数計算(×) A[×]B1[=]
B2[=]B3[=]・・・Bn[=]
A×B1, A×B2, ・・・, A×Bn AとB1を乗算すると、定数Aと演算子が固定される。
定数Aと値B2,・・・,Bnをかけることができる。回数nに制限はない。
このため、毎回Aを入力する必要がない。
パーセント計算(AのB%は?) A[×]B[%] A × (B / 100)
パーセント計算(AはBの何%か?) A[÷]B[%] (A / B) × 100
パーセント計算(AのB%増しは?) A[+]B[%] A + (A × (B / 100))
パーセント計算(AのB%引きは?) A[-]B[%] A - (A × (B / 100))
マークアップキー計算
売価計算
A[÷]B[MU] (100 × A) / (100 - B) 仕入価格Aのとき、利益率B%を取れる売価を求める。
売価を表示している状態でさらに[MU]を押すと利益額が表示される。
マークアップキー計算
原価計算
A[÷]B[+/-][MU] (100 × A) / (100 + B) 売価Aのとき、仕入価格のB%を利益にできる仕入価格を求める。
仕入価格を表示している状態でさらに[MU]を押すと利益額が表示される。
マークアップキー計算
変化率計算(売上同士の変化率)
A[-]B[MU] ((A - B) / B) × 100 売上Aは売上Bから何%増えたかを求める。
マークアップキー計算
変化率計算(売上の増分による変化率)
A[+]B[MU] ((A + B) / B) × 100 売上Bに対して売上がAだけ増える場合、
Bを100%としたときに何%になるのかを求める。
メモリー加算 [M+] M + 表示中の数値 → M Mはメモリーである。
メモリー減算 [M-] M - 表示中の数値 → M Mはメモリーである。
メモリー呼出 (Recall Memory) [RM] メモリーの内容を表示する。
メモリー消去 (Clear Memory) [CM] メモリーがクリアされる。
GT(Grand Total) [GT] 1回押下:GT([=]と[%]で求めた結果の累計)を表示
2回押下:GTをクリア
GTに数値が入っている時に表示される状態インジケーターは"G"である。
開平(ルート)計算 A[√] √(A)
べき乗 A[×][=]・・・[=] A×・・・×A
[=]を押した回数+1→Aの数
Aのn乗を得る時は (n-1)回 [=]を押下
逆数計算 A[÷][=]・・・[=] 1 / (A×・・・×A)
[=]を押した回数→Aの数
1/(A^n)を得るときは n回 [=]を押下
税率設定 [C][税込](税率設定)
A[税込](税率設定)
A%の税率を設定できる。
税率確認 [C][税抜](税率確認) A%の税率を確認できる。
税込計算 A[税込] 税込額 : A×(1+(税率/100))
税額 : A×(税率/100)
Aに消費税を加えた価格(税込額)を計算する。
[税込]キーを押す度に税込額と税額が切り替る。
税抜計算 A[税抜] 税抜額 : A÷(1+(税率/100))
税額 : A-(A÷(1+(税率/100)))
Aから消費税を抜いた価格(税抜額)を計算する。
[税抜]キーを押す度に税抜額と税額が切り替る。

レビュー

本機の機能は上表のように実務電卓(一般電卓の一種でかつては事務用電卓と言われた)としての基本的な機能を押さえています。
しかし、基本機能以外の機能は少なく、税計算と[MU]キーくらいでしょうか。
[MU]キーは今では珍しくなったキーです。本機の前機種の EL-S442-X(2008年発売) が搭載していたので、2014年発売の本機にも搭載されたようです。

実務電卓の定義は非常に曖昧です。私見ですが、小数部桁数(TAB) 指定スイッチがある電卓は実務電卓と見なしていいと思います。
しかし、2017年10月12日時点、SHARPの電卓サイトは小数部桁数(TAB) 指定スイッチがない低機能なものも実務電卓と称していたり、その逆に小数部桁数(TAB) 指定スイッチがあるものを実務電卓以外に分類していたりします。

[MU]キーの機能(マークアップ計算)は原価・売価・利益に関する計算機能です。
この機能の操作は分かり難く、上表のように直感性のないものです(機種によって操作が異なることもあるようです)。 キー入力は記号的で演算子が数値を区切るものとしてしか機能していません。一応、キー入力が計算式を連想させるようになっていますが、計算式を覚えていないと連想できないのです。計算式を丸暗記するのはあまり現実的ではないでしょう。
結局のところ[MU]キーの操作を丸暗記するしかないのです。 しかし、実際には全部覚えても使わなかったら忘れてしまうので、本当に必要な操作だけ覚えるというのが現実的でしょう。
このように[MU]キーは操作に難点があり、最近の電卓であまり見かけなくなったのも当然でしょう。
ただし、CASIO の一般電卓のように[%]キーだけでパーセント計算とマークアップ計算を行うようにしてパーセント計算まで難解にしてしまったよりはマシかもしれません。

[MU]キーを除けば、本機の操作性は良好です。 メモリー操作をするキーがちゃんと2つ([RM][CM])に分かれていたり、クリア関連キーも3つ([CA][C][CE])に完全に分かれているので、本機よりも高価なものよりもむしろ操作性が良かったりします。 特にメモリー関連キーが2つあるのは大きな利点です。メモリー関連キーが1つしかない([RM]と[CM]が1つになっている)電卓ではメモリーの用途に制約ができてしまいます。

ただし、キーボードには価格の限界を感じます。 キーの端っこを押してしまうと、キーが傾いたまま沈みます。そのとき、隣接したキーを誤って押す可能性があります。安いキーボードなので、キーに軸が入っていないのです。 そのため、キーの中央付近を押すように心がけないといけません。 キーを押すと少しグラつきを感じます。早打ちには向いていないかもしれません。 キーの打鍵音も静かとは言えません。 ただし、早打ちにこだわらないなら実用範囲のキーでもあります。

SHARP EL-S452-Xのキーは端を押すと傾く Canon HS-1220TSG のキーは端を押してもあまり傾かない。キーに軸が入っているのだろう。

小数部桁数(TAB) 指定スイッチにも価格の限界を感じます。 上表のように選択肢が F,3,2,0,A しかないのです。他の実務電卓にはよくある1と4がないのです。 接点の少ないスイッチを使って少しでも原価を下げたいのでしょうけど、人によってはこれでは困る人もいるでしょう。 ちなみにラウンドスイッチに切上げはありません。

画面の角度を変更できるチルト機能は便利です。使用時は画面を上に上げて、見やすくすることができます。 携帯時は画面を下げて電卓を平らにして100円ショップで売っているクッションケースにでも入れておけば携帯性を確保できます。本機は大きさの割に薄いので、携帯性は他の大型電卓よりは良いでしょう。

本機は電源がオートパワーオフしてもメモリーとGTが維持されます。 電源を再度入れるとメモリーとGTがそのまま残っています。
この特徴は一般的なものなのでしょうか?
私が持っている一般電卓で試したところ以下のような結果になりました。

機種名 オートパワーオフ後のメモリーとGTの維持
SHARP EL-S452-X 維持する
CASIO SL-350MT 維持する(この機種はメモリーのみ。GT機能なし)
CASIO JF-120GT 維持する
Canon HS-1220TSG 維持しない

以上のように私が持っている一般電卓はオートパワーオフしてもメモリーとGTの維持をする方が多いようです。
Canon HS-1220TSG はオートパワーオフ時にメモリーとGTを消去します。これは HS-1220TSG だけの特徴でしょうか?
そこでオートパワーオフでメモリーとGTを維持する電卓がどれだけあるのか調べようとしたのですが、以下の機種の説明書を調べてもそのことについては明記されていませんでした(維持するとも維持しないとも書かれていない)。

オートパワーオフ時にメモリーとGTを維持できるかどうかは結構重要なことだと思うのですが、メーカーがそれを公表していないのは不思議です。

本機 EL-S452-X の説明書(14DSC(TINSJA080EHZZ) A9648)は酷い出来です。ボタンと表示の説明は断片的にしかしていません。 折角、クリア関連キーを[CA][C][CE]の3つに分けているのにその違いすらまともに説明していません。 定数計算やメモリーの説明も操作例がいきなり書かれているだけです。定数という言葉すら登場しません。事前に電卓の知識がないと理解は困難でしょう。
実売価格2,000円前後(2017年10月13日現在)で売られている EL-VN82(2014年発売)の説明書(14DSC(TINSJA079EHZZ) A9647)も同様に酷いものです。

ちなみに低価格帯の電卓でも古い機種の説明書はかなりマシです。 例えば、EL-N732K(2007年発売)の説明書(07FSC(TINSJ1330EHZZ))は全ボタンと全画面表示物の説明をしており、[C・CE]と[CA]の違いもちゃんと説明しています。定数計算とメモリーの説明も本機の説明書よりは多少親切に書かれています。 つまり、本機の説明書は退化しているのです。
最近のSHARPは低価格帯電卓の説明書をまともに作る気はないようです。

電池交換は少し面倒です。電池蓋がないので、裏のカバーを外す必要があります。 詳細は上の画像集を見て下さい。

本機は低価格で目立った機能はないものの他の電卓では1つのキーにまとめられてしまうことが多い[RM][CM]と[CE][C]がちゃんと分かれており、オートパワーオフしてもメモリーとGTが維持されるなど基本的な作りがしっかりとしています。 他のセミデスクタイプ電卓(大型電卓)より一回り小型なのも本機の利点です。画面の角度を変更できるチルト機能も便利です。
低価格のため限界もあり、小数部桁数(TAB) 指定スイッチの選択肢に1と4がない、良いとはいえないキーの感触、そして電池蓋がないという欠点もあります。
しかし、低価格の割には完成度が高く、もっと注目されてもいい機種だと思います。

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