2017年3月19日 | 作成 |
2017年7月5日 | 類似機種について修正 |
2017年9月30日 | 機能一覧を追加。レビュー修正 |
2017年10月3日〜4日 | 機能一覧に追記 |
メーカー | CASIO | |
型名 | SL-350MT | |
種別(メーカー分類) | 一般電卓(商売電卓) | |
発売開始 | 不明(2000年代中頃?) | |
製造終了 | 製造終了しているが、その年月不明 | |
寸法 | 奥行 約124 mm × 幅 約73mm × 厚さ 約11mm(実測値なので公式ではない) | |
重量 | 53.5g(電池を含んだ実測値) | |
入力方式 | 標準方式 | |
画面 | 白黒液晶7セグメント10桁+負号+状態インジケーター14個 | |
CPU | 不明 | |
RAM | 不明 | |
ROM/Flash | 不明 | |
電源 | LR54(LR1130 / GP189)×1+太陽電池。 電池交換には分解が必要で自分で分解すると保証外。 |
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プログラミング言語 | なし | |
公式ページ | なし | |
説明書URL | なし | |
著者の購入年 | 2005年5月〜8月と思われる | |
著者の購入価格(購入店) | 不明(不明) |
一般電卓ですが、原価・売価・利益計算(下表参照)と税率計算がついているせいか、メーカーは商売電卓として分類しています。
表中の A, B は任意の数値です。
[ ]で囲まれたものはキーです。
機能 | キー入力 | 計算 | 説明 |
---|---|---|---|
全消去 (All Clear) | [AC] | 計算状態を全て消去する。メモリーと税率設定は消去されずにそのまま残る。 | |
入力訂正 (Clear) | [C] | 入力中の数値だけ消去する。計算状態、メモリー、税率設定に影響はない。 | |
桁下げ | [▶] | 表示中の数値の最も右にある1桁を削除する。 | |
符号反転 | [+/-] | 表示されている数値×(-1) | 表示中の数値の符号を反転する。 |
四則演算 | A[演算子]B[=] | A(演算子)B | 演算子は+, −, ×, ÷ |
定数計算 (CASIO方式) |
A[演算子][演算子] B1[=]B2[=]・・・Bn[=] |
B1(演算子)A, B2(演算子)A, ・・・, Bn(演算子)A |
A入力後、演算子キーを2回押すと定数Aと演算子が固定され、画面にKが表示される。 定数Aと値B1,B2,・・・,Bnを演算子で計算することができる。回数nに制限はない。 このため、毎回Aを入力する必要がない。 |
マークアップ計算(売価) | A[+]B[%] | (100×A) / (100-B) | 利益率を売価のB%と見た場合、原価Aのときの売価は?(CASIO独自の%操作) |
マークアップ計算(利益) | A[+]B[%][-] | ((100×A) / (100-B)) - A | 利益率を売価のB%と見た場合、原価Aのときの利益額は?(CASIO独自の%操作) |
AはBの何%アップか? | A[-]B[%] | ((A / B) -1)×100 | CASIO独自の%操作 |
AのB%は? | A[×]B[%] | A × (B / 100) | |
AのB%増しは? | A[×]B[%][+] | A + (A × (B / 100)) | CASIO独自の%操作 |
AのB%引きは? | A[×]B[%][-] | A - (A × (B / 100)) | CASIO独自の%操作 |
AはBの何%か? | A[÷]B[%] | (A / B) × 100 | |
メモリー加算 | [M+] | M + 表示中の数値 → M | Mはメモリーである。 |
メモリー減算 | [M-] | M - 表示中の数値 → M | Mはメモリーである。 |
メモリー呼出 / クリア (Memory Recall / Clear) |
[MRC] |
[MRC]を押すと、メモリーの内容が表示される。 内容を表示しているときに[MRC]を押すと、メモリーの内容がクリアされる。 |
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税率設定 | [%](税率設定)を 長押し後、A[%] |
A%の税率を設定できる。 | |
税込計算 | A[税込] |
税込価格 : A+(A×(税率/100)) 税額 : A×(税率/100) |
Aに消費税を加えた価格を計算する。 [税込]キーを押す度に税込価格と税額が切り替る。 |
税抜計算 | A[税抜] |
税抜価格 : A÷(1+(税率/100)) 税額 : A-(A÷(1+(税率/100))) |
Aから消費税を抜いた価格を計算する。 [税抜]キーを押す度に税抜価格と税額が切り替る。 |
原価入力 | A[原価] | 原価Aを入力する。 | |
売価入力 | A[売価] | 売価Aを入力する。 | |
利益率入力 | A[利益率] | 利益率A%を入力する。 | |
原価・売価・利益計算 | 説明参照 |
売価-利益額=原価 利益額=売価×(利益率/100) |
原価、売価、利益率の中から求めたい数値以外の2つを入力する。 そして、求めたい値のキーを押すと、求めたい値が表示される。 利益率(%)を表示している場合、さらに[利益率]キーを押すと、利益額が表示される。 [%]キーを使った分かり難いマークアップ計算を覚える必要がない。 |
電験三種を受けるために購入しました。当時(2005年)の電験三種は関数電卓の持ち込みが禁止されているので、本機が必要でした。2017年でも関数電卓の持ち込みは禁止されているようです(電験三種のページ)。
小型なので試験には便利でした。試験会場の机は大抵狭いのです。
本機の最大の欠点は平方根がないことです。商売電卓なので不要なのでしょうか。キーのクリック感はほとんどありません。押してふわふわしたようなキータッチです。安い機種なので、そんなものでしょう。税率は初期設定で5%だったのですが、8%に変更することもできます。
原価・売価・利益計算によって、[%]キーを使った分かり難いマークアップ計算を覚える必要がない上にマークアップ計算よりも強力です。
しかし、最近の CASIO の一般電卓でこの機能を搭載しているものは少なくなっています(2017年9月30日現在、防水・防塵電卓がこの機能を搭載している)。
メモリー機能において、[MRC]キーでメモリーの呼出とクリアを兼ねています。そのため、メモリーの用途に制限ができています。
例えば、表示中の計算結果をメモリーへ保存しようとしたとき、メモリーに値が入っていると、メモリーのクリアが必要です。
[MRC]を押してメモリー内容を表示してから、もう一度[MRC]を押すとメモリーがクリアされます。
しかし、計算結果を表示中にメモリー内容の表示をすると、その前に表示されていた計算結果は消えてしまうのです。
そのため、計算結果をメモリーに保存したいときは事前にメモリーをクリアしておかないといけません。
このように臨機応変にメモリーを使うことができないのです。
電験三種に合格してからはあまり使っていなかったので、電池は長持ちしました。2016年5月に電池が切れたので、交換作業をしたのですが、ネジを一本外しても分解できません。プラスチックの爪で固定されているからです。そのため、マイナスの精密ドライバーでこじ開ける必要がありました。その様子は画像集を見てください。
本機の直系の子孫は消滅したようですが、近い機種はあります。
SL-310A は10桁表示であり、大きさ的にも本機に近い機種と思われます。
ただし、原価・売価・利益計算はありません。その代わり、平方根と時間計算が追加され、多目的に使えます。
さらに[MRC]キーは[MR](メモリー呼出)と[MC](メモリークリア)に分かれており、メモリーの使いやすさも改善しています。