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2017年10月6日公開
2017年11月14日時間計算を大幅修正

Canon HS-1220TSG

Canon HS-1220TSG 正面写真 メーカーCanon
型名HS-1220TSG
種別(メーカー分類)一般電卓(実務電卓 商売計算)
発売開始2011年11月30日
製造終了-
寸法奥行 179.5 mm × 幅 130 mm × 厚さ 37.5 mm(公表値)
重量208g(電池を含んだ公表値) 実測値の212gとほぼ一致
入力方式標準方式
画面白黒液晶7セグメント12桁+負号+状態インジケーター18個
CPU不明
RAM不明
ROM/Flash不明
電源CR2032 × 1+太陽電池
プログラミング言語なし
公式ページ キヤノン:電卓 商売計算 グリーン購入法適合タイプ|概要
説明書URL 製品マニュアル電卓/レーザーポインター|HSシリーズ
著者の購入年2017年10月
著者の購入価格(購入店)1,460円(ヨドバシ.com)ポイント10%還元あり

概要

低価格ですが、実務電卓(事務用電卓)として十分な機能を持っています。 小数点スイッチ、四捨五入スイッチ、メモリー、GT、税金計算、商売計算、時間計算と機能も豊富です。
特にこの価格で「切上げ」があるのは珍しいと言えます。 2017年10月現在、CASIO や SHARP の電卓において小数点スイッチ付電卓でも「切上げ」がないものが多いのです(その場合、四捨五入と切り捨てのみ可能)。

姉妹機種に HS-1220TUG があります。 本機の商売計算機能がない代わりに千万単位機能があります。 千万単位機能によって、1キー入力で1000と10000を入力したり、千万億単位を数値と一緒に表示できます。

機能一覧(使い方)

表中の A, B, C, D, E, F は任意の数値です。
[ ]で囲まれたものはキーです。

機能 キー入力 計算 説明
小数点スイッチ +,4,3,2,1,0,F
のどれか1つを選択
F : 小数点以下の桁数に制約がなくなる。
0,1,2,3,4 : 小数点以下の桁数を指定
+ : アド・モード(通貨計算)
アド・モードにすると、入力した数値の下位2桁が自動的に小数点以下になる。
小数点の入力を省略できる。
四捨五入スイッチ ↑,5/4,↓
のどれか1つを選択
小数点スイッチをF以外にしたときに有効
指定した小数点桁数よりも1つ下の桁を
四捨五入(5/4)、切上げ(↑)、切捨て(↓)のどれにするのかを選択する。
全消去 (Clear All) [CA] 電卓の全状態(メモリーとGT含む)をクリアする。税率設定のみ消えない。
入力訂正 (Clear Input) /
クリア (Clear)
[CI/C] 1回押下すると、入力中の数値だけをクリアする(入力訂正)。
2回押下すると、計算状態をクリアする。メモリーとGTと税率設定は消去しない。
右シフト [→] 表示中の数値の最も右にある1桁を削除する。
符号反転 [+ ↔ -] 表示されている数値×(-1) 表示中の数値の符号を反転する。
四則演算 A[演算子]B[=] A(演算子)B 演算子は+, −, ×, ÷
定数計算(+ - ÷) A1[演算子]B[=]
A2[=]A3[=]・・・An[=]
A1(演算子)B, A2(演算子)B,
・・・, An(演算子)B
A1とBを演算子(+ - ÷)で計算すると、定数Bと演算子が固定される。
定数Bと値A2,・・・,Anを演算子で計算することができる。回数nに制限はない。
このため、毎回Bを入力する必要がない。
定数計算(×) A[×]B1[=]
B2[=]B3[=]・・・Bn[=]
A×B1, A×B2, ・・・, A×Bn AとB1を乗算すると、定数Aと乗算演算子(×)が固定される。
定数Aと値B2,・・・,Bnをかけることができる。回数nに制限はない。
このため、毎回Aを入力する必要がない。
パーセント計算(1) AのB%は? A[×]B[%±] A × (B / 100)
パーセント計算(2) AはBの何%か? A[÷]B[%±] (A / B) × 100
割増し計算(AのB%増しは?) A[+]B[%±] A + (A × (B / 100))
割引き計算(AのB%引きは?) A[-]B[%±] A - (A × (B / 100))
メモリー加算 [M+=] M + 表示中の数値 → M Mはメモリーである。
メモリー減算 [M-=] M - 表示中の数値 → M Mはメモリーである。
メモリー呼出 (Recall Memory) /
メモリー消去 (Clear Memory)
[RM|CM] 1回押下すると、メモリーの内容を表示する。
表示している状態のままで2回目を押すと、メモリーがクリアされる。
GT(Grand Total) [GT] 1回押下:GT([=]で求めた結果の累計)を表示
2回押下:GTをクリア
開平(ルート)計算 A[√] √(A)
べき乗 A[×][=]・・・[=] A×・・・×A
[=]を押した回数+1→Aの数
Aのn乗を得る時は (n-1)回 [=]を押下
逆数計算 A[÷][=]・・・[=] 1/(A×・・・×A)
[=]を押した回数→Aの数
1/(A^n)を得るときは n回 [=]を押下
税率設定 [CA][税込](設定)
A[税込](設定)
A%の税率を設定できる。
税率確認 [CA][税抜](確認) A%の税率を確認できる。
税込計算 A[税込] 税込価格 : A+(A×(税率/100))
税額 : A×(税率/100)
Aに消費税を加えた価格(税込価格)を計算する。
[税込]キーを押す度に税込価格→税額→Aと表示が周回的に切り替る。
税抜計算 A[税抜] 税抜価格 : A÷(1+(税率/100))
税額 : A-(A÷(1+(税率/100)))
Aから消費税を抜いた価格(税抜価格)を計算する。
[税抜]キーを押す度に税抜価格→税額→Aと表示が周回的に切り替る。
原価入力 A[原価] 原価Aを入力する。
売価入力 A[売価] 売価Aを入力する。
粗利率(あらりりつ)入力 A[粗利率] 粗利率A%を入力する。
商売計算 説明参照 売価-粗利額=原価
粗利額=売価×(粗利率/100)
原価、売価、粗利率の中から求めたい数値以外の2つを入力する。
すると、ただちに求めたい数値の結果が表示される。
粗利率(%)を表示中に[粗利率]キーを押すと、粗利額が表示される。
時間計算(時間と時間)
[時間計算]キーを[時間]とする。
A[時間]B[時間]C[時間]
[演算子]
D[時間]E[時間]F[時間][=]
A時間B分C秒とD時間E分F秒を演算子(+ − × ÷)によって計算する。
演算子として×または÷を使用した場合、結果は数値になるので、
[時間計算]を押すと時間表示に変換できる。
時間計算(時間と数値)
[時間計算]キーを[時間]とする。
D[演算子]A[時間]B[時間]C[時間][=]
あるいは
A[時間]B[時間]C[時間][演算子]D[=]
A時間B分C秒と数値Dを演算子(+ − × ÷)によって計算する。
演算子として×または÷を使用した場合、結果は数値になるので、
[時間計算]を押すと時間表示に変換できる。
時間計算(数値を時間に変換) A[時間計算]
Aは計算結果でも良い。
例えば、A=1.51のとき、[時間計算]を押すと、
1-30'36"(1時間30分36秒)になる。
その状態で[時間計算]を押すと、1.51に戻る。

レビュー

本機 HS-1220TSG は低価格ですが、機能が充実しています。CASIO や SHARP の高級実務電卓と比較しても大差ない機能の多さです。 一部の高級実務電卓(例えば、CASIO JS-20WK, JS-10WK, DS-20WK, DS-10WK)よりも多機能なくらいです。
本機に不足している機能は「日付計算」くらいでしょうか(筆者個人としては「マルチ換算(為替レート計算)」や「検算」はそれほど必要な機能ではないと思っています)。
むしろ CASIO と SHARP の高級機に搭載されていない本機の「商売計算」機能を必要とする人もいるかもしれません。

概要にも書いたようにこの価格で「切上げ」があるのは特筆するべきかもしれません。 切上げが搭載されている電卓は意外と少ないのです。

2017年10月3日現在の主要電卓各社の小数点スイッチ搭載電卓数とその中で「切上げ」を搭載している数をまとめてみました。
情報元は各社の電卓のサイトです。

メーカー 小数点スイッチ
搭載電卓数
左の中で「切上げ」を
搭載している電卓数
「切上げ」搭載率
Canon 10 6 60.0%
CASIO 23 8 34.8%
SHARP 14 3 21.4%

表中の電卓は小数点スイッチ搭載の一般電卓のみであり、プリンター電卓は含んでいません。さらに生産終了品は入れていません。

このように「切上げ」を搭載している小数点スイッチ搭載電卓は意外と少ないのです。Canonだけ多いのです。
SHARPは高級機だけ、CASIOだと高級機でも搭載していないものがあります(JS系高級機は切上げなし)。

「切上げ」はあまり使わないのかもしれませんが、メーカーは小数点スイッチを搭載している電卓に必ず搭載するべきではないでしょうか。消費者の選択肢をわざわざ減らす必要もないと思います。

本機 HS-1220TSG の機能で惜しいのはメモリー呼出と消去が [RM|CM] キー1つになっていることです。 そのため、計算結果をメモリーへ保存したい時にメモリーに数値が入っているとお手上げになります。 何故かと言うと、計算結果を表示中に [RM|CM] キーを押すとメモリー呼出になってしまうので、計算結果が消えてしまうのです。 もう一度 [RM|CM] キーを押すとメモリー内容は消えますが、その時点で計算結果が消えているので意味がありません。

Canonの実務電卓を初めて触ったので、[CA]キーでメモリーが消えるのは最初慣れませんでした。 CASIOの実務電卓だと一部の例外を除いて[AC]キーでメモリーが残るからです(ただし、GTは消える)。 Canonの実務電卓の場合、[CI/C]キーを主に使い、[CA]キーは電卓の状態を完全に消すときだけ使うようです(さすがに税率設定は消えない)。 SHARP方式と似ており、ここは慣れの問題でしょう。

Canonの実務電卓はCASIOのものより[%]キーの使い方が素直です。SHARPと似た方式です。 CASIOの[%]キーと比べると使用方法は簡単です。

その反面、定数計算はCASIO方式よりも分かり難くなっています。定数を決定するために四則演算を一度行う必要があります。 演算子の種類によって固定される定数が演算子の前になったり後ろになったりするのは慣れが必要でしょう。 定数計算が使い難いせいか本機には「べき乗」「逆数」機能が別途搭載されています。 CASIOの場合、「べき乗」「逆数」は定数計算を応用して求めます。

キーボードは価格の割には使いやすいと思います。 キーボードには傾斜がついています。そのおかげで電卓をそれほど体に近づけなくても打ちやすくなっています。 平らな形状の電卓だと、体にある程度近づけないとキーが打ちにくいのです。
ただし、個人的にはキーのクリック感は弱いと思います。個人的にはクリック感はもっと強めの方がいいのですが、これは好みの問題でしょう。
ストローク(キーの上下動の長さ)は長いので、キーに軽く触れただけで反応することはありません。そのため、打ち間違いはしにくいのですが、速打ちには向いていないかもしれません。
打鍵音は少しカチャカチャした音です。激しく打つと、ある程度の騒音になるかもしれません。

キーボードに傾斜を付けた副作用で携帯性は低下しています。画像集を見ていただければ分かると思いますが、平らな形状ではないので、カバンに入れにくいでしょう。

液晶表示上の数値は大きく表示されて見やすいのですが、小数点と3桁毎のカンマは小さくて見辛いと思います。 数値を大きくしたいがために小数点と3桁毎のカンマを小さくしすぎたのは間違いではないでしょうか。

2017年10月4日現在、ダウンロードできる説明書(E-I J-1238)に誤字脱字が多いことが気になりました。 私が購入したものに付属している印刷された説明書(E-I J-1351)は誤字脱字がかなり直っていますが、ダウンロードできる説明書も新しいものにするべきでしょう。

いくつかの問題点はあるもののこの価格としては素晴らしい実務電卓と言えます。


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