2ヶ月ほど前の話になりますが、UPS Japan の配送についてみなさんに警告したいので、本記事を書くことにしました。
今回は今までの輸入記事と違って、まとめ買いではなく
CASIO fx-CG50
を単品購入しました。
fx-CG50 が Amazon USA の直販商品として扱われていたので、送料が安くて済みました。
直販品ではないマーケットプレイス(Amazon のシステムを使って出品者が商品を販売するシステム)の商品だとそもそも日本へ発送ができないことが多いので、転送業者が必要になり、送料が高くなります。
今回は国内発送が日本の配送業者ではなく、UPS Japan というアメリカ合衆国の UPS (United Parcel Service) の日本法人によって行われたのですが、非常に不便でした。そのことについては後述します。
10月下旬に私は CASIO fx-CG50 を Amazon USA にて $109.15(送料などは別)という価格で購入しました。
しかし、日本国内では異常な高価格で売られています。
Amazon USA との比較のために、日本国内の主要店舗における fx-CG50 の価格を調べてみました。
店舗名 | 価格 | 備考 |
---|---|---|
ビックカメラ.com | 26,773円(税込) | 10%ポイント還元あり |
ヨドバシ.com | 26,780円(税込) | 10%ポイント還元あり |
ヤマダウェブコム | 26,773円(税込) | 1%ポイント還元あり |
どの店舗も私が Amazon USA で購入した価格と比べると異常な価格です。
特にヤマダウェブコムはポイント還元が1%しかないので、実質的に最も高価です。
一方、Amazon USA の価格を2017年12月21日に調べ直すと、$102.45(送料など別)でした。私が買ったときよりもさらに安くなっています。
今回も Amazon USA から直接発送されるので、送料は安くなります(Amazon USA が配送業者と特殊な契約をしており、他の人の荷物とまとめて発送するので安い)。
前回は AmazonGlobal Standard Shipping という最安値の発送手段を選びましたが、今回はそれよりも高価な AmazonGlobal Expedited Shipping を選びました。そのおかげで短期間で日本に届きました(日本に着いてからが面倒でしたが)。
前回と説明が重複します。
Amazon USA (Amazon.com) のアカウントはアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、スペインで共通に使用できます。 Amazon USAで確実に使えるクレジットカードは、VISA, Master, American Express です。これら以外のカードは使えないこともあるかもしれません。さらに VISA, Master, American Express にしておけば、前述の7カ国でも使えます。
英語力についてはどの程度必要なのかは説明するのが難しいので何とも言えません。 Amazon USAに行って、欲しい商品の説明などを読んで英語が難しいと思ったらやめた方がいいかもしれません。
Amazon USA は操作が自動化されているので、英語難易度は低い方でしょう。 しかし、初期不良などのトラブル対応時に英語の難易度が急に上がることを想定するべきでしょう。
5日間かかりました。日本までは短期間で到着したのですが、国内配送に時間がかかりました。
今回はアメリカ合衆国内で時間帯の異なる移動があったので、表の1列に特定の時間帯を記述できません。そのため、「現地時間」とさせていただきます。
現地時間(時間帯) | 事象 | 事象発生場所 |
---|---|---|
2017年
10月23日(月) 10:23PM (JST) |
Amazon USAで注文した。 | ネット上 |
10月23日(月) 02:38PM (CDT) | Amazon USA から UPS へ商品が移動 | テキサス州サンマルコス |
10月23日(月) 09:45PM (CDT) | 経由 | テキサス州サンアントニオ国際空港 |
10月24日(火) 04:04AM (EDT) | 経由 | ケンタッキー州ルイビル国際空港 |
10月24日(火) 08:52AM (AKDT) | 経由 | アラスカ州テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港 |
10月25日(水) 01:57PM (JST) | 商品が日本の空港に到着してスキャンされた。 | 成田空港(千葉県成田市) |
10月25日(水) 11:50PM (JST) | 成田税関支署の通関作業が終了後、出発。 | 成田空港(千葉県成田市) |
10月26日(木) 02:43PM (JST) | UPS Japan が筆者の自宅に配達に来たが、筆者が不在のため持ち戻った。 | 東京都23区 |
10月27日(金) 午前中 (JST) |
筆者が UPS Japan に電話して10月28日(土)に再配達してもらうように依頼した。
UPS Japan は土日祝日の配送をしないため、国内の配送業者に転送される。 |
東京都23区 |
10月28日(土) 04:23PM (JST) | ヤマト運輸によって商品が自宅に到着 | 東京都23区 |
合計 $129.25 (UFJ-VISAで 15,068円 に換算。$1 = 116.581円)
Import Fees Deposit(輸入税等前払金) は Amazon USA が予想した関税、消費税、通関手数料などです。 Amazon USA は Import Fees Deposit を多めに取ります。その代わり、これ以上取られることはありません。 Amazon USA が取り過ぎた分は発送から約2ヶ月後に払い戻し金額が決定します。
2017年12月13日に Import Fees Deposit のドル基準の払戻金額は決定しており、
何故か $9.57 全額が戻ることになりました。
そして、2017年12月24日に UFJ-VISA は円基準の払戻金額を確定し、
-1,109円
($1 = 115.883円)となっています。
上の合計から円基準の払戻金額を引くと、
13,959円
となりますので、日本国内の価格と比べると半額に近くなります。
払い戻しは2018年1月10日ですので、購入から払い戻しまで2ヶ月半ほどかかることになります。
今回は配送を速くするために AmazonGlobal Expedited Shipping を使いました。それでも送料はわずか $10.53 でした。
注文の詳細を下図に示します。
Amazon USA で注文した時、アメリカ現地は10月23日(月)でした。
注文時の発送予定日がアメリカ現地時間10月23日(月)、到着予定日はアメリカ現地時間10月25日(水)でした。
日本時間の10月26日(木)に不在配達とはいえ自宅に着いたので、予定通りです。 ただし、再配達にさらに時間がかかったので、前述の表のように荷物を受け取ったのは10月28日(土)でした。
Amazon USA で発注するときに円で支払うかドルで支払うのかを選ぶことができます(カードによっては選べないという噂もある)。 Amazon USA の為替手数料は UFJ-VISA のそれよりも高いことが多いので、ドル払いを選択して UFJ-VISA にドル→円換算させた方が得することが多いようです(ただし、ドル払いの場合、換算レートが後日決定するので、急激に円安になると損する可能性あり)。
UPS
という民間企業です。USPS(アメリカ合衆国郵便公社)ではありません。
下に UPS の輸送記録を示します。一番下から順番に読みます。
今回は AmazonGlobal Expedited Shipping を使ったせいか、前回の UPS i-Parcel (UPS の子会社。 2014年、UPS が i-Parcel を買収して成立 )よりも詳細に表示してくれます。
アメリカ合衆国から日本まではかなり速く届いたと思います。 私が注文したのが日本標準時(JST)の10月23日(月) 10:23PMです。商品が成田空港に着いてスキャンされたのは、10月25日(水) 1:57PM(JST) ですので、注文から39時間34分で成田空港に来たことになります。
しかし、良いのはそこまででした。 今回、国内配送を担当したのは UPS Japan という UPS の日本法人でした。 日本時間10月26日(木) 2:43PMに UPS Japan の配送があったのですが、宅配ボックスに入れてくれませんでした。
下の写真が UPS Japan の不在連絡票です。右上の黄色いシールが不在連絡票の本体です。
黄色いシールは簡単に剥がせるようになっていて、そのシールの下に UPS Japan の連絡先が印刷されています。
翌日の日本時間10月27日(金)に私は UPS Japan に電話して、宅配ボックスに入れてもらえるようにお願いしたのですが、UPS Japan の要求はかなり無茶なものでした。
なんと、不在連絡票の本体(黄色いシール)の裏の設置場所の指定欄に「✓宅配ボックス」と書いて、自宅の郵便受けに貼らないと宅配ボックスに入れてくれないのです。氏名(漢字)と署名(おそらくローマ字?)も書く必要があります。署名の代わりに印鑑も使えるようです。
しかし、そんなことをして誰かに剥がされたらどうするのでしょうか?それに氏名を誰にでも見られることになります。
仕方がないので、日本時間10月28日(土)に再配達してもらうように依頼しました。UPS Japan は土日祝日の配送をしないので、提携している日本の業者に転送することになります。
UPS Japan の不便な点をまとめておきます。
ちなみに UPS Japan が配送するのは都会とその近郊だけで地方の配送は最初から日本の配送業者が行うそうです。
そのため、地方の方が受取が便利になっています。
UPS Japan は土日祝日の配送をしないので、荷物は UPS Japan からヤマト運輸へ転送されました。
以下にヤマト運輸の追跡記録を示します。
UPS Japan の配達は非常に不便ですので、UPS Japan の不在連絡票が届いたらすぐに土日祝日の配達を希望した方が良いかもしれません。そうすれば、日本の配送業者に転送されますし、日本の会社ですので、配達予定時間も細かく選べます。
前回は一番安い AmazonGlobal Standard Shipping という配送方法でした。
今回は AmazonGlobal Expedited Shipping というより高額な配送方法なので梱包が変化するのか関心がありました。
しかし、前回同様の手抜きな梱包でした。箱に商品がそのまま入っていました。 緩衝材すら入っていないので、前回よりも退化したとも言えます。 テープが最低限しか貼られていないので、箱は隙間だらけです。
こんな梱包でも CASIO fx-CG50 は破損していませんでした。 電卓がブリスターパック(固めの透明なプラスチック)に入っていたから何とか耐えたのでしょう。
今回は AmazonGlobal Expedited Shipping という速達便を使ったので、5日間という短期間で届きました。
しかし、初体験の UPS Japan の不便さには驚きました。インターネットで検索すると、私同様に不便と感じている人が多くいました。
今回の場合、UPS Japan の不在連絡表が木曜日に届いたので、配達を土曜日に変更しても時間的損失はそれほどありませんでした。しかし、月曜日に不在連絡表が届いた場合、土曜日の配達に変更すると配達は5日後になってしまいます。
UPS Japan は不便ですが、CASIO fx-CG50 を安く入手できたので、満足しています。
ただし、安い反面、リスクも高いと思った方が良いでしょう。
Amazon USA の梱包は非常に手抜きです。国際配送とは思えないものです。
これでは一定確率での破損は免れないのではないでしょうか。
万が一、破損や初期不良があったときは返品手続きが必要になります。 このとき、それなりの英語力が必要になると思われますが、それよりも大変なのは時間なのではないでしょうか。 返品処理に膨大な時間がかかることでしょう。返品にかかる時間は自分では短縮できないのです。 結局、急いでいる場合には個人輸入は使えないのです。
付属の保証書は北米だけで有効です。当然ですが、
ツーリスト保証
は付属していません。つまり、故障したら有料修理です。
CASIO fx-CG50 は日本国内でも販売されていますので、有料修理だけはしてもらえるかもしれません。
アフターサービスや初期不良対応のことを考えると高額でも日本版の fx-CG50 を購入するという選択肢も悪いとは言えないと思います。
ただし、Amazon Japan で購入するときは注意が必要です。特にマーケットプレイス(Amazon のシステムを使って出品者が商品を販売するシステム)で購入する場合は要注意です。マーケットプレイスでは、新品と言いながら日本版ではなく並行輸入品を高額で売っている出品者が存在するからです。