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2017年9月17日公開
2017年9月21日 OptoEleMech氏の指摘
(原文の digital calculator
= ネット上の電卓) に基いて修正

翻訳:「我々は過剰価格のTI-84電卓をついに引退させることができるのか?」

CNNに掲載された記事を翻訳してみました。
前回のワシントン・ポストの記事と同じマット・マクファーランド(Matt McFarland)氏による記事です。

初代 TI-84 Plus を批判している記事ですが、記者の代替案 Desmos に説得力がない感じです。 Desmos はインターネット上で無料のグラフ電卓を提供するサービスです。 しかし、結局のところPCやスマホやタブレットが必要です。記者はそのことについて触れていません。

さらに Desmos を採用した共通学力試験 スマーター・バランスッド(Smarter Balanced)は採用する州政府が増えていないとの情報もあります。

(参考リンク) 全米共通学力基準プロジェクト(その33)~どんどん減りゆく全米共通テスト

そもそも初代 TI-84 Plus に罪はなく、それに固執し続ける校区、学校、教師に問題があると思うのですが。 テキサス・インスツルメンツは TI-84 Plus CETI-Nspire CX のようなより進歩した代替機種を販売しており、初代 TI-84 Plus だけを販売しているわけではないのです。 CASIO や HP Inc.もグラフ電卓を販売しており、最近は NUMWORKS というグラフ電卓を販売するフランスの会社もあります。

この記事は TI-84 Plus を叩くためだけに書かれた感はありますが、教育用グラフ電卓に関する新しい動きがあるということは間違いないようです。

誤訳があったり、翻訳が下手だと思われた時はご容赦ください。

(引用元) Can we finally retire the overpriced TI-84 calculator?


我々は過剰価格のTI-84電卓をついに引退させることができるのか?

マット・マクファーランド氏(Matt McFarland)による記事
2017年5月12日

過剰価格の電卓を高校生の子供達に買い与えなければならないことに疲れた保護者のためにかすかな希望が見えてきた。

アメリカ合衆国の15州で進級試験として実施されるスマーター・バランスッド(Smarter Balanced : 共通学力試験の1つ)は、この春、ネット上の電卓を試験に導入した。 高額な価格設定にも関わらず、高校の数学の授業で事実上の標準になっているテキサス・インスツルメンツ社のグラフ電卓に生徒たちは依存する必要はない。

「我々は全ての子供たちが公平な条件で勉強できるように挑戦し、そうなることを確信しています。」
スマーター・バランスッド評価協会(Smarter Balanced Assessment Consortium)事務局長トニー・アルパート氏はそう語った。
「一部の生徒が電卓を使うことができない状況を最小限にすることに挑戦したいのです。生徒の通う学校が生徒に電卓を提供しなかったり、あるいは、家族が生徒に買い与える経済的余裕がなかったりすることがあります。」

スマーター・バランスッドは新興企業 Desmos のネット上のグラフ電卓を使用する。 以前、高校生を指導したことのある CEO エリ・ルバロフは彼が高校生時代に使ったものと同じグラフ電卓を高校生が使っていることに気がついて衝撃を受けた。

「我々は生徒たちが古くて、低性能、過剰価格の電卓を買わなければならないとは考えていません」とルバロフはCNNに語った。
声明でテキサス・インスツルメンツ(TXN)は、ミドルスクールから大学まで使えて仕事にも使える一回限りの投資として自社の電卓を説明している。
テキサス・インスツルメンツは、ネット上の電卓(Desmos)がインターネットへの投資を学校に強制してしまうことを注意した。

「TIの電卓は世界中の60種類の重要な試験で信頼され続けています。試験には SATACTAP、そしてIBが含まれます。」とテキサス・インスツルメンツ社の教育技術部門の最高責任者ピーター・バレイタ氏は述べた。

ネット上の電卓を使うことはお金を節約すること以上の利点がある。 試験をどのように実施するのかということについて、より多くの少し違ったやり方を認めることにもなる。 ネット上の電卓は1つの特定の問題において生徒に利用可能にしたり、次の問題で利用禁止にすることもできる。 そのようなことは、試験の間にずっと生徒の机の上に置かれる従来のグラフ電卓では現実的に不可能なことである。

「我々の目標が生徒たちの代数関数の計算能力や実際に数学を実践する能力を測定することならば、電卓を使うことを生徒たちに要求しません」とルバロフは述べた。
「我々がデータ分析と問題解決を行うことを生徒たちにお願いするならば、我々は電卓の使用を完全に推奨します。データ分析と問題解決において、我々は生徒の知識ではなく生徒の問題解決能力を確かめるのです。」

最も売れている TI-84 Plus グラフ電卓は一般的に$90から$120の間で販売されている。TI-84 Plus は2004年に初登場して以来変化していない。
(訳注:厳密には全く変化していない訳ではない。2010年に TI-84 Plus のOSが教科書表示入出力(Textbook display)に対応したのは大きな変化と言えなくもない)

その電卓は同価格の電子製品と比べると悲惨なくらい装備が貧弱である。
例えば、TI-84 Plus と Kindle Paperwhite はともに Amazon.com で$99.99で売られている。
Kindleの画面は遥かに大きく、より高解像度である。
Kindle Paperwhite は4GBのメモリを搭載している。TI-84 のフラッシュメモリ容量(1MB)を吹き飛ばすような容量である。
Kindle はWiFiに接続もできる。その一方でテキサス・インスツルメンツのグラフ電卓(TI-84 Plus)は接続できない。
Kindle Paperwhite は充電式バッテリーを搭載している。一方で TI-84 Plus は4本の単4形電池を必要とする。

関連記事:グーグルとアップルとマイクロソフトが教育市場で争う理由(英語)

テキサス・インスツルメンツの電卓は、何年も前に学校の教室の標準的存在になった。そして、その地位を失っていない。 スマートフォンやインターネットに無料グラフ電卓という選択肢があるにも関わらず、学校は一般的にそれらを容認していない。

Desmos のネット上のグラフ電卓はその状況に食い込んできたにも関わらず、テキサス・インスツルメンツを追放するには程遠い状況である。 電卓はほとんどの教室と試験(SATとACTを含む)で未だに必須である。

調査会社のNPDによると、数量基準のグラフ電卓の販売は過去2年間で3.7%、1.6%と成長している。
しかし、ドル基準で測定すると、横ばいである。 最も最近の年度で売上は0.4%成長した。その前の年は1.4%減少した。

Desmos とその他の代替手段は、ゆっくりと支配的なテキサス・インスツルメンツを徐々に崩しているかもしれない。 しかし、目的を達成するには未だに長い道のりが存在する。

以上

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