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電卓個人輸入体験記(Amazon USA 直販商品のみ)

前回は Amazon USA (Amazon.com) から海外発送できない商品(Amazon USA直販ではなくマーケットプレイス販売)があったので、転送業者(スピアネット)を使いました。そのため、送料が高くなってしまいました。

今回は Amazon USA 直販商品のみ輸入しました。その結果、大幅な送料の節約に成功しました。

目次

  1. Amazon USA 直販商品のみ輸入
  2. 今回の個人輸入に必要だったもの
  3. 個人輸入の経緯
  4. 全費用一覧
  5. Amazon USAについて
  6. UPS i-Parcel について
  7. 佐川急便について
  8. 今回の税関の課税
  9. 届いた商品の写真
  10. 最後に

Amazon USA 直販商品のみ輸入

Amazon USA 直販商品はたいてい海外発送が可能です。 そのため、Amazon USAの直販商品だけを購入すると転送業者が不要になります。

Amazon USA との比較のために、今回買う3つの電卓(全てグラフ電卓)の最安値を Amazon Japan で調べると下表のようになります(2017年4月26日調べ)。 全てマーケットプレイス(Amazon Japan に登録している業者と個人による販売)です。

電卓名Amazon Japan 価格備考
TI-89 Titanium21,412円出品者の在庫を Amazon Japan が発送
CASIO FX-9860GII10,500円注文を受けてから海外から取寄せ。発送も出品者が行う。
CASIO PRIZM fx-CG1018,900円注文を受けてから海外から取寄せ。発送も出品者が行う。
合計50,812円

前回同様に注文を受けてから海外から取寄せるという出品者が多いですね。 それにマーケットプレイスは詐欺が多いというリスクもあります。 こういうところで買うなら個人輸入した方が速いかもしれません。 ただし、個人輸入すると不良品の返品が面倒になるというリスクは覚悟するべきでしょう。

一方、Amazon USA だとこんな価格で売っています(2017年4月16日調べ)。

電卓名Amazon USA 価格備考
TI-89 Titanium$131.99Amazon USA直販
CASIO fx-9860GII$77.12Amazon USA直販
CASIO PRIZM fx-CG10$98.85Amazon USA直販
合計$307.96

2017年4月26日の為替レートは 1$ = 111.03円です。 商品だけの価格を円に換算すると34,192円になります(実際にはAmazon USAあるいはカード会社に為替手数料を取られるのでもう少し高くなる)。 商品価格だけなら1.6万円ほど安くなります。

今回は Amazon USA から直接発送されるので、送料は非常に安くなります(Amazon USA が配送会社と特殊な契約をしており、他の人の荷物とまとめて発送するので安い)。 前回と違って、送付先住所とクレジットカードの支払先はともに自分の日本の住所になります。

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今回の個人輸入に必要だったもの

今回は転送業者を使わないので、転送業者のアカウントは不要です。

Amazon USA (Amazon.com) のアカウントはアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、スペインで共通に使用できます。 Amazon USAで確実に使えるクレジットカードは、VISA, Master, American Express です。これら以外のカードは使えないこともあるかもしれません。さらに VISA, Master, American Express にしておけば、前述の7カ国でも使えます。

英語力についてはどの程度必要なのかは説明するのが難しいので何とも言えません。 Amazon USAに行って、欲しい商品の説明などを読んで英語が難しいと思ったらやめた方がいいかもしれません。

今回は Amazon USA(操作が自動化されている)だけだったので、英語難易度は低い方でしょう。 しかし、初期不良などのトラブル対応時に英語の難易度が急に上がることを想定するべきでしょう。

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個人輸入の経緯

15日間かかりました。今回は転送業者を使わなかったので、注文した後は待つだけでした。
今回はメリーランド州から発送なので、アメリカの現地時間は東部夏時間になります。

日本標準時(JST)東部夏時間(EDT)事象事象発生場所
2017年
4月27日11:06PM
4月27日10:06AM Amazon USAで注文した。ネット上
5月01日11:09PM5月01日10:09AM UPS i-Parcel が Amazon USA から商品を回収メリーランド州ボルチモア市
5月02日07:43PM5月02日06:43AM 航空便による発送開始ボルチモア・ワシントン国際空港
5月05日08:40PM5月05日07:40AM 天候不良のため航空便の遅延発生経由した空港で遅延?
それともボルチモア・ワシントン国際空港で止まったままになっていた?
5月09日00:36AM5月08日11:36AM 商品が日本の空港に到着羽田空港(東京都大田区)
5月10日12:27PM5月09日23:27PM 羽田税関支署の通関作業が終了羽田空港(東京都大田区)
5月11日03:00PM5月11日02:00AM 佐川急便 城南営業所が羽田税関支署で集荷羽田空港(東京都大田区)
5月12日12:12PM5月11日11:12PM 商品が自宅に到着東京都23区

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全費用一覧

Amazon USA

合計 $350.94(UFJ-VISAで39,865円に換算。$1 = 113.595円)

前述の Amazon Japan の最安値(4月26日調べ)と比較すると、10,947円得しました。

さらに Import Fees Deposit(輸入税等前払金)の一部が戻ってくる可能性があります。 Import Fees Deposit は Amazon USA が予想した関税、消費税、通関手数料などです。 Amazon USA は Import Fees Deposit を多めに取ります。その代わり、これ以上取られることはありません。 Amazon USA が取り過ぎた分は発送から約2ヶ月後に返金されます。(実際には払い戻し額が決定するだけでした。以下参照)

(2017年6月25日追記)
Import Fees Deposit (輸入税等前払金)の払い戻し金額が確定

6月18日に Amazon USA から Import Fees Deposit の払戻金額が $12.08 に決定したとの通知がありました。
6月23日に UFJ-VISA が $12.08 を 1,359円($1 = 112.5円)に換算しました。
UFJ-VISA によると実際の払い戻しは8月になるとのことです。つまり、発送から3ヶ月以上かかることになります。

払い戻し分を考慮すると、合計は $338.86 (39,865円-1,359円=38,506円)となります。
つまり、前述の Amazon Japan の最安値(4月26日調べ)と比較すると、12,306円得しました。

ただし、払い戻しは非常に遅い上に Amazon USA が取り過ぎてない場合は払い戻しがありません。 払い戻しはオマケ程度に思った方が良いでしょう。

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Amazon USAについて

今回は Amazon USA の直販商品しか買わなかったので、送料はわずかに$16.98(AmazonGlobal Standard Shipping)でした。 これだけ安いと配送に15日間かかっても仕方がないかと思います。 ただし、もっと高額な送料を支払って輸送期間を短縮することも可能です。

注文の詳細を下図に示します。

Amazon USA Order Details

Amazon USAで注文した時、アメリカ現地は4月27日でした。 注文時の発送予定日が現地時間4月28日、到着予定日は現地時間の5月11日〜5月18日でした。

Amazon USA Track Package : Arriving

日本時間の5月12日に着いたので、予定通りでしょう。

下に Amazon USA の追跡記録を示します。

Amazon USA Track Package : Delivered

前回同様、Amazon USA で発注するときに円で支払うかドルで支払うのかを選ぶことができます(カードによっては選べないという噂もある)。 円で支払った時、実際の為替レートではなくて Amazon USA の換算レートになります。 私が注文したときの Amazon USA の換算レートは $1 = 115.76円 でした。 しかし、当時の実際の為替レートは $1 = 111.56円 でした。

為替手数料が上乗せされるとは言っても Amazon USA の換算レートは高過ぎます。 そのため、今回もドル払いにしました。
結局、UFJ-VISAは 1$ = 113.595円 で換算したので、Amazon USAの換算レートより得しました。

前回もそうでしたが、よほど急激に円安にならない限りドル払いの方が得することが多いようです。

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UPS i-Parcel について

UPS i-Parcelという民間企業です。UPS (United Parcel Service) の子会社です。USPS(アメリカ合衆国郵便公社)とは無関係です。
下にUPS i-Parcel の輸送記録を示します。

i-Parcel Tracking

上の画像の時刻は全て現地時間です。アメリカ側は東部夏時間(EDT)、日本側は日本標準時間(JST)です(夏時間というが実際には春から秋まで実施される)。
見ての通り、UPS i-Parcel の追跡サービスはそれほど詳細に表示してくれません。 重量も表示してくれません。 おそらくは安い配送サービスなので、詳細な表示はしてくれないのでしょう。

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佐川急便について

日本国内の配送は佐川急便でした。UPS i-Parcel と提携しているのでしょう。

今回は税関で必要な費用を Import Fees Deposit という形で Amazon USA に先払いしています。 税関に収める費用は Amazon USA が Import Fees Deposit から税関へ渡すことになります。 そのため、前回のような代金引換(配達に来た配達員に費用を支払うこと)が必要ないので、宅配ボックスに入れてもらえました。 Import Fees Deposit はそういう意味では便利な仕組みということです。

以下に佐川急便の追跡記録を示します。

Sagawa Tracking

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今回の税関の課税

前述のように税関に収める費用は Amazon USA が Import Fees Deposit から税関へ渡すことになります。 そのため、税関へ費用を支払ったのは Amazon USA ということになります。 よって今回は「国際郵便物課税通知書」は私のところに届きません。 つまり税関に支払った正確な費用は現時点(2017年5月16日)では不明です。

しかし、前回と同じ計算方法で Amazon USA が税関に支払った費用は推定できます。 計算の詳細は省きますが、1,700円と推定できます。

Import Fees Deposit は $26.00(前述のUFJ-VISAの換算レートで2,953円) なので、取られ過ぎている可能性があります。

Import Fees Deposit の払い戻しがあれば、このページを更新します(あっても2ヶ月先になりそうですが)。
※2017年6月25日、全費用一覧に Import Fees Deposit の払い戻しについて追記しました。

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届いた商品の写真

今回は Amazon USA から直送でしたので、前回と違って転送業者(スピアネット)によって再梱包されていません。 そのため、Amazon USA の梱包の質をそのまま見ることができます。

正直言ってガッカリ梱包です。かなり手抜きな梱包です。 テープが最低限しか貼られていないので、箱は隙間だらけです。 しかも緩衝材がわずかしか入っておらず、箱の中は空洞だらけです。 これでは輸送時に中の商品が箱の中で動きまくっていたことでしょう。 前回の転送業社(スピアネット)の再梱包は Amazon USA の梱包を大幅に改善してくれていたのです。

箱 雑な封印 スカスカの梱包 内容物

こんな梱包でも3つの電卓は運良く破損していませんでした。 電卓がブリスターパック(固めの透明なプラスチック)に入っていたから何とか耐えたのでしょう。

箱に貼られたラベルに"Baltimore, MD"と書かれているので、メリーランド州ボルチモア市から発送されています。
ラベルの一番下に CASIO fx-CG10 の重量が1.25 kgs (kgsのsは複数形を示しているのでkgと同意)と書かれていますが、そんなに重いことは絶対にありません。明らかな誤りです。

箱に貼られたラベル
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最後に

前回と違って、注文後は何もしなくていいので非常に楽でした。 しかも送料も安くてかなり安く買い物ができました。 ただし、電卓のように商品単価がそれほど高くないものの場合、まとめ買いをしないと得しない可能性もあります。

安い反面、リスクも高いと思った方が良いでしょう。 Amazon USA の梱包は非常に手抜きです。国際配送とは思えない酷いものです。 これでは一定確率での破損は免れないのではないでしょうか。

万が一、破損や初期不良があったときは返品手続きが必要になります。 このとき、それなりの英語力が必要になると思われますが、それよりも大変なのは時間なのではないでしょうか。 返品処理に膨大な時間がかかることでしょう。返品にかかる時間は自分では短縮できないのです。

結局、急いでいる場合には個人輸入は使えないのです。 だからと言って、Amazon Japan マーケットプレイスで買うのが良いとは限りません。 在庫を Amazon Japan に預けているマーケットプレイス出品者は比較的信用できます(それでも悪質な出品者はいる)。 しかし、実際には「注文を受けてから海外から取寄せる」という購入者をなめた出品者が多く、そのような人たちがちゃんと商品を届けてくれるのか疑問です。

日本におけるグラフ電卓入手事情の悪さは当分続きそうです。

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