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2017年11月18日公開

CASIO MP-12R 余り計算電卓

CASIO MP-12R 正面写真 メーカーCASIO
型名MP-12R
種別(メーカー分類)一般電卓(一般電卓|余り計算電卓)
発売開始2017年7月21日
製造終了-
寸法 奥行 147 mm × 幅 103 mm × 厚さ 28.8 mm(公表値)実測値とほぼ一致
重量 115g(電池を含んだ公表値) 実測値の113gとほぼ一致
入力方式標準方式
画面 白黒液晶7セグメント12桁+負号+状態インジケーター16個
CPU不明
RAM不明
ROM/Flash不明
電源CR2032 × 1 +太陽電池
プログラミング言語なし
公式ページ MP-12R | 余り計算電卓 | 一般電卓 | 電卓 | CASIO
説明書URL MP-12R 取扱説明書ダウンロード
著者の購入年2017年11月
著者の購入価格(購入店) 1,814円(ビックカメラ有楽町店)ポイント10%還元あり

概要

余り計算が簡単にできるということで話題になった機種です。

カシオの「余り計算電卓」が品薄になったワケ(東洋経済)

上の記事の通り、余り計算ができる一般電卓は以前からあったのですが、生産終了になっていたのです。
その後、調剤薬局や物流業界から要望があって新規に開発されたのです。

本機 MP-12R は余り計算だけ注目されていますが、この価格帯の電卓には珍しく日数計算と時間計算も搭載されています。
日数計算はうるう年ではないことが前提になっています。さらに片落の日数計算となっています。
例えば、11月10日〜11月11日の日数を片落で計算すると答えは1日になります(両入という計算方法だと2日になります)。

補足(2017年11月現在)
上の東洋経済の記事によると関数電卓は余り計算ができると書かれていますが、余り計算ができない関数電卓も存在します。
例えば、2016年9月までSHARPの最上位関数電卓だった SHARP EL-5160J-X は余り計算ができません。Canon F-605G もできません。
余り計算ができない関数電卓は他にもあります。

機能一覧(使い方)

機能 キー入力 計算 説明
全消去 (All Clear) [AC] 計算状態を消去する。メモリー、税率設定、余り計算の設定は消去されずにそのまま残る。
入力訂正 (Clear) [C] 入力中の数値だけ消去する。計算状態、メモリー、税率設定、余り計算の設定に影響はない。
桁下げ [▶] 表示中の数値の最も右にある1桁を削除する。
四則演算 A[演算子]B[=] A(演算子)B 演算子は+, −, ×, ÷
余り計算 A[÷余り]B[=] A÷B 結果は、「商-余り」と表示される。[÷余り]キーは演算子キーとみなせる。
余り計算の設定 [AC]押下後、[÷余り](商↔余り)を
1回押すと、現在設定の表示。
2回以上押すと、設定変更。
余り計算の結果を次の計算に使うとき、商と余りのどちらを使うのかを設定する。
この設定は計算中に変更不可。計算中に設定確認もできない。
余り計算の結果を
次の計算に使用
余り計算の結果表示時に
演算子キー([÷余り]含む)を押す。
余り計算の結果(商、余りのどちらか)が演算子(+ − × ÷ ÷余り)の前に置かれる。
商、余りのどちらが使用されるのかは上の設定で事前に決める必要がある。
定数計算
(CASIO方式)
A[演算子][演算子]
B1[=]B2[=]・・・Bn[=]
B1(演算子)A, B2(演算子)A,
・・・, Bn(演算子)A
A入力後、演算子キーを2回押すと、定数Aと演算子が固定され、画面にKが表示される。
定数Aと値B1,B2,・・・,Bnを演算子で計算することができる。回数nに制限はない。
このため、毎回Aを入力する必要がない。
マークアップ計算(売価) A[+]B[%] (100×A) / (100-B) 利益率を売価のB%と見た場合、原価Aのときの売価は?(CASIO独自の%操作)
マークアップ計算(利益) A[+]B[%][-] ((100×A) / (100-B)) - A 利益率を売価のB%と見た場合、原価Aのときの利益額は?(CASIO独自の%操作)
AはBの何%アップか? A[-]B[%] ((A / B) -1)×100 CASIO独自の%操作
AのB%は? A[×]B[%] A × (B / 100)
AはBの何%か? A[÷]B[%] (A / B) × 100
AのB%増しは? A[×]B[%][+] A + (A × (B / 100)) CASIO独自の%操作
AのB%引きは? A[×]B[%][-] A - (A × (B / 100)) CASIO独自の%操作
メモリ加算 [M+] M + 表示中の数値 → M Mはメモリー。余り計算の結果表示時に商、余りのどちらを使うかは余り計算の設定による。
メモリ減算 [M-] M - 表示中の数値 → M Mはメモリー。余り計算の結果表示時に商、余りのどちらを使うかは余り計算の設定による。
メモリ呼出 [MR] メモリの数値を表示する。
メモリクリア [MC] メモリをクリアする。
税率設定 [AC][%](税率設定)長押し後
A[%]
A%の税率を設定できる。
税込計算 A[税込] 税込価格 : A+(A×(税率/100))
税額 : A×(税率/100)
Aに消費税を加えた価格を計算する。
[税込]キーを押す度に税込価格と税額が切り替る。
税抜計算 A[税抜] 税抜価格 : A÷(1+(税率/100))
税額 : A - (A÷(1+(税率/100)))
Aから消費税を抜いた価格を計算する。
[税抜]キーを押す度に税抜価格と税額が切り替る。
時間計算(時間と時間) ※[日数/時間]キーを[時間]とする。
[AC][時間]A[時間]B[時間]C[時間]
[演算子]D[時間]E[時間]F[時間][=]
A時間B分C秒とD時間E分F秒を演算子(+ − × ÷ ÷余り)によって計算する。
演算子として ×, ÷, ÷余り を使用した場合、結果は数値になるので、
[日数/時間]を押すと時間表示に変換できる。
時間計算(時間と数値) [AC][時間]と入力後、
A[時間]B[時間]C[時間][演算子]D[=]
あるいは
D[演算子]A[時間]B[時間]C[時間][=]
A時間B分C秒と数値Dを演算子(+ − × ÷ ÷余り)によって計算する。
演算子として ×, ÷, ÷余り を使用した場合、結果は数値になるので、
[日数/時間]を押すと時間表示に変換できる。
時間計算
(数値→時間変換)
[AC][時間]と入力後、数値入力、
四則演算、余り計算を行う。
そして[時間]を押す。
数値を時間に変換する。
数値1=1時間となる。例えば、数値1.25=1時間15分0秒。
余り計算の場合、設定に従って商あるいは余りのどちらかだけが変換される。
日数計算(期間) ※[日数/時間]キーを[日数]とする。
[AC]A[日数]B[日数]
[÷](~)C[日数]D[日数][=]
A月B日からC月D日の期間を計算する。
計算は片落式かつ閏日(うるうび)なしで行う。
例えば、11月14日~11月15日の結果は1日になる(両入式だと2日。本機は両入に未対応)。
日数計算(何日後) [AC]A[日数]B[日数][+]C[=] A月B日からC日後の月日を計算する。
日数計算(何日前) [AC]A[日数]B[日数][-]C[=] A月B日からC日前の月日を計算する。

レビュー

余り計算

本機の特徴は「余り計算」ができることです。その使い方を見ていきましょう。
例として、270÷21 を余り計算してみましょう。

最初に[2][7][0][÷余り]と入力します。[÷]の代わりに[÷余り]を使うのです。

270[÷余り]まで入力 [÷]キーと[÷余り]キー

次に[2][1]と入力します。

21と入力

最後に[=]を押すと答えが出ます。

余り計算の結果 12-18

12-18は商12、余り18の意味です。
このように非常に簡単に余りの計算ができます。

この余り計算の結果が表示されている状態でさらに演算子キー([+][−][×][÷][÷余り])あるいは[M+][M-]を押したらどうなるのでしょうか?
演算子の前に使われるのは、商?余り?
メモリーに加減算されるのは、商?余り?

それは設定で決める必要があります。
上の機能一覧にも書いたように[AC]キーを押してから[÷余り](商↔余り)キーを押して設定します。
[÷余り](商↔余り)キーを押す度に「余り」表示と「商」表示が切り替わります。

余り計算の余りを使う設定 余り計算の商を使う設定

これらのどちらかに設定したのかは、通常の状態で表示されないので、設定を覚えておく必要があります。 計算中に切り替えはできません。

これは良くない仕様だと思われます。 利用者としては結果が表示されているときに商を使うのか、余りを使うのかを選択したいはずです。
[÷余り](商↔余り)キーを[÷余り]キーと[商↔余り]キーの2つに分離して、結果が表示されているときに[商↔余り]キーを利用者に押させて、商あるいは余りを使うのかを選択させるべきでしょう。

その他の機能について

符号反転キーがありません。そのため、負数の入力ができません。 計算を開始するときならば、0から任意の数値を引いて負数を作ることは可能です。 しかし、計算途中で負数を入力するのは不可能です。
(メモリーにあらかじめ 0-1 = -1 を入れておいて必要なときに乗算する方法もあるが、メモリーが他の用途に使えなくなる)

平方根キーもありません。2017年11月現在でも平方根キーがない一般電卓は多いのですが、必要な人は要注意です。

GT(Grand Total)もありません。これも必要な人は要注意です。

キーは特に押しやすいものではありません。 SHARP EL-S452-XCASIO JF-120GT のようにキーの端っこを押してしまうと、キーが傾いたまま沈むキーです。

キーが傾いたところ

CASIO JF-120GT のようにキーストローク(キーの上下動の長さ)が短い場合はこのようなキーでも問題にならないのですが、 本機 MP-12R の場合、キーストロークが少し長めなので、キーを押したときのキーのグラつきが多少気になります。 ただし、特に早打ちにこだわらなければ、実用範囲内のキーでもあります。

キー配置も[1]キーの下に[00]キーがあったり、[0]キーの上に[AC]キーがある奇妙な配置です(CASIO の中程度の大きさの電卓に多い配置)。
表示桁数が12桁と多いので、[00]キーを付けたくなる気持ちは分かりますが、せめて[0]キーと[00]キーの位置を入れ替えてもいいのではないでしょうか。
さらに[C]キーと[AC]キーの位置も入れ替えれば、[AC]キーを誤って押す確率は低くなり、キー配置はかなり改善されます。

日数計算と時間計算の操作方法はやや混乱気味に感じます。
日数計算をするときは、[AC]+月数入力+[日数/時間]と操作して、日数計算モードに入ります。
時間計算をするときは、[AC]+[日数/時間]と操作して、時間計算モードに入ります。
(操作の詳細は機能一覧を参照して下さい)

日数計算と時間計算を1つのキーで行っているので、分かり難くなっています。
これは本機だけの問題ではなく、同一機能を搭載した CASIO の他の機種(DS-20DB など)でも一緒です。
素直に[日数]キーと[時間]キーに分けた方が良いのではないでしょうか。

総評

利点

  1. 余り計算が簡単。
  2. この価格で日数計算と時間計算の両方を搭載しているのは珍しい。
  3. メモリーのクリアと呼出のキーが[MC][MR]の2つに分かれている。
  4. 比較的小型である。手帳サイズよりは大きいが、実務電卓(事務用電卓)よりは小型。

欠点

  1. 平方根がない。
  2. 符号反転キーがない。
  3. [1]キーの下に[00]キーがあったり、[0]キーの上に[AC]がある奇妙なキー配置。
  4. キーは特に押しやすくはない。
  5. 余り計算の結果を表示しているとき、次の計算で商を使うのか余りを使うのかをその場で選択できない。
  6. 日数計算と時間計算の操作方法が少しややこしい。

GT(Grand Total)がないことに関しては一概に欠点とは言えないので、欠点から除外しました。

本機のパッケージ(画像集参照)にも書かれているように調剤と物流に特化した仕様になっているようです。
符号反転キーと平方根がないのはそのせいでしょうか。 この価格帯の一般電卓では珍しい日数計算と時間計算の両方を搭載しているのも調剤・物流業界の要望なのかもしれません。

その代わり、それ以外の用途で使用するには微妙な仕様になっています。 購入する際は上述の欠点が問題にならないのかを検討してから購入するべきでしょう。


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