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電卓の種類

電卓の種類の分類は明確に決まっていませんが、このサイトでは以下のように分類します。

  1. 一般電卓
  2. プリンター電卓
  3. 金融電卓
  4. 関数電卓
  5. プログラマブル関数電卓
  6. ポケットコンピューター
  7. グラフ電卓

(注意) HP Inc.の電卓ページは頻繁に変更されるためリンク切れも頻繁に発生します。リンク切れがあるときはそういうものだと思ってください。

  1. 一般電卓

    一言に一般電卓といいますが、実際には色々な種類があります。
    普通電卓、実務電卓、テンキー電卓、カード電卓などです。
    一般電卓の定義は明確ではありませんが、一般に以下の条件を満たしているものを「一般電卓」と言います。

    1. 四則演算+その他の機能くらいの機能しかない。
      その他の機能はメモリ、平方根、税込計算、桁数設定、GTなどであり、機種によって搭載しているかどうかが異なる。
    2. 入力方式は標準方式あるいは加算器方式
    2017年4月時点、加算器方式の一般電卓は非常に少なくなっています。
    (国内だと CASIO DS-120TW SHARP CS-2130L だけ?)

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  2. プリンター電卓

    プリンターの付いた電卓。計算過程を全てプリントできます。
    計算機能は一般電卓と同程度です。
    入力方式は標準方式あるいは加算器方式です。

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  3. 金融電卓

    金融計算をするための電卓です。2018年4月現在、大別して2種類のものがあります。

    1. 質問に答えるだけで結果が出るもの
    2. 貨幣の時間的価値 (TVM : Time Value of Money )を使用者が理解して使用するもの

    日本の場合、1が主流です。欧米の場合、2が主流です。

    日本の場合、金融電卓は金融の知識が曖昧な人でも使えるように作られているので、1が主流です。

    欧米の場合、金融電卓は金融のプロが使ったり、金融系資格試験に使うことが多いので、金融の知識がないと使えない2が主流です。
    2の金融電卓はたいてい対数関数が使えます。BAII Plus のように三角関数まで使えるものもあります。
    2の一部にプログラミング可能なものもあります。

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  4. 関数電卓(通常の関数電卓)

    少なくとも四則演算、三角関数、逆三角関数、対数関数、指数、n乗根の機能があれば関数電卓と呼べるでしょう。

    日本だと理系の人間(少数派)しか使いません。しかし、欧米では数学の教育で使われるので、多くの人が使います。

    入力方式は標準方式、4 Level RPN方式、ライン表示入力方式、教科書表示入力方式と多様です。
    2017年4月時点では標準方式や4 Level RPN方式の関数電卓は少なくなってきています。

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  5. プログラマブル関数電卓

    関数電卓の中でプログラミングできるもののことです。
    世界最初の関数電卓 HP 9100A (1968年)はプログラマブル関数電卓でした。
    つまり、通常の関数電卓よりも先にプログラマブル関数電卓が登場したのです。
    その後、通常の関数電卓が普及すると、プログラマブル関数電卓の方が少数派になったのです。

    プログラミング言語としては、キーストローク言語あるいはBASIC言語の一種が多いようです。
    2017年4月時点では、プログラマブル関数電卓は少なくなっています。


    (注意)
    2017年4月現在、 シャープのプログラマブル関数電卓 は数式の記憶ができるだけなのに「プログラマブル関数電卓」を自称しています。そのため、本サイトでは シャープのプログラマブル関数電卓 を「プログラマブル関数電卓」とみなしません。
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  6. ポケットコンピューター

    プログラマブル関数電卓がさらに進化したものです。1980年代に盛んに製造されていました。しかし、1990年代から衰退し、今は製造されていません。

    世界最初のポケットコンピューターは SHARP PC-1210/1211 (1980年) でした(この前にPC-1200という自称ポケコンが存在したが、ただのプログラマブル関数電卓だった)。
    関数電卓と違ってQWERTYキーボードを搭載しており、高級言語(主にBASIC言語)でプログラミング可能です。

    後期のポケットコンピューターはグラフの描画もできます。

    1980年代のプログラマブル関数電卓はキーストローク言語(原始的な言語)のものが多かったので、高級言語が使えるポケットコンピューターはPCの代わりとして使われました。
    しかし、1990年代からPCの低価格化が進むと、通常の関数電卓とPCの間に位置する中途半端な位置づけのものになり、需要がなくなってしまいました。

    下のリンクは、シャープが最後に製造していた教育用ポケットコンピューターです。
    シャープのポケットコンピューター PC-G850VS のページ
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  7. グラフ電卓

    プログラマブル関数電卓にグラフを描画する機能が追加されたものです。「グラフ関数電卓」と呼ばれることもあります。

    世界最初のグラフ電卓は CASIO fx-7000G (1985年)です。日本の会社が発明したにも関わらず、日本人はグラフ電卓を購入しません。

    関数電卓の一種とも言えますが、複雑な画像が表示できる上に高級プログラミング言語でプログラムが組めたりできますので、コンピューターに近いと言えます。グラフ描画ができる後期のポケットコンピューターと大差ないものと言えます。それらの最大の違いはQWERTYキーボードの有無です。

    欧米では大学受験にグラフ電卓を持ち込めることが多いのですが、コンピューターの持ち込みは禁止されています。QWERTYキーボードを搭載した電卓はコンピューターとみなされますので、ポケコンは持ち込めません。
    そのため、2017年現在ではグラフ電卓がQWERTYキーボードを搭載することはありません(ABC順のキーボードを搭載した TI-Nspire シリーズはグラフ電卓として認められている)。
    グラフ電卓は欧米の教育需要に仕様を合わせたため、ポケコンのような衰退はしておらず、今でも多くのグラフ電卓が製造されています。

    グラフ電卓を選ぶときに最も重要なことは CAS 数式処理システム )の有無です。
    CAS はあればいいというものではありません。CAS があると欧米でも一部の試験(アメリカ合衆国の ACT など)に持ち込めなかったりします。そのため、CASなしのグラフ電卓も継続して売られています。さらに CAS があると操作が煩雑になるので、嫌う人もいます。

    グラフ電卓は教育用途だけではなく、数学・科学技術計算が必要な業務にも使うことができます。

    (補足)QWERTYキーボードを搭載したグラフ電卓 TI-92シリーズ というものも存在しました。しかし、アメリカの大学試験機関はTI-92シリーズをグラフ電卓として認めなかったため、TI-92はポケットコンピューターの一種とも言えます。

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